持ち帰り残業をすることのリスクと仕事を持ち帰らないための方法

持ち帰り残業をすることのリスクと仕事を持ち帰らないための方法

長時間労働に対する世間の風当たりが厳しくなり、大手を中心に大規模な残業削減に取り組む企業が増えてきました。
ノー残業デーや一斉消灯などによって、従業員の残業を強制的にやめさせる工夫も行われています。
一方で、これまでと同じ成果を短い時間で出すのは難しく、従業員が仕事を持ち帰ることがあり、「持ち帰り残業」などと呼ばれて問題になっています。
持ち帰り残業にはさまざまなリスクが存在していますから、リスクを理解して対策を講じていきましょう。
ここでは、持ち帰り残業のリスクと、持ち帰り残業をしないための方法を紹介します。

持ち帰り残業することのリスク

やむを得ず仕事を持ち帰る、自宅の方が仕事がやりやすいから持ち帰るなど、さまざまな理由があるかもしれませんが、そもそも理由以前の問題があります。

それは持ち帰り残業によって生じるリスク。
ここでは、持ち帰り残業をすることでどんなリスクがあるのかを紹介します。

情報漏えいリスク

まずは情報漏えいのリスクが考えられます。

職場から自宅に帰るときは、電車に乗ったりどこかに立ち寄ったりしますよね。
仕事を持ち帰ろうとすると、電車内や立ち寄った先に仕事関係の書類を置き忘れてしまう、落としてしまう可能性があります。
外部の人と接することで、知らない間に情報を盗み見される可能性も否定できません。

仕事でパソコンを使う人は自宅のパソコンにデータを移して行うことがあるでしょうが、自宅用のパソコンは会社に比べてセキュリティ対策が脆弱。
ウィルスに感染する、誤って情報が洩れてしまうことも考えられます。
これは自宅に限らず起きること。
職場以外のカフェや漫画喫茶などで、企業情報を扱った仕事をすることも同じように危険です。

家族や恋人への悪影響

自宅に仕事を持ち帰ると、家族や恋人はどう思うでしょうか?

同じ空間にいるのに話かけることができず寂しい思いをするかもしれませんし、残業代がつかないのに仕事をしていることに不満を感じている可能性もあります。
1度や2度仕事を持ち帰るぐらいなら平気でも、毎日のように持ち帰って遅くまで仕事をしている姿を見ると体も心配になります。
持ち帰り残業をせざるを得ない会社や文句を言えない本人にさえ怒りの矛先が向くこともあるでしょう。
しまいには「いい加減にして!そんなに大変なら転職すれば?」と喧嘩になることも。

はっきり言って、持ち帰り残業をして家族や恋人との関係性が今より良くなることは無く、悪化する可能性の方が大きいのです。
持ち帰り残業によって大切な人を失うことを想像してみてください。
それでも「仕方がないこと」だと言えるでしょうか。

仕事効率が下がるという本末転倒が起きる

自宅に持ち帰ってまで仕事をすることは、仕事と家庭との境界線が曖昧になるという点が大きなデメリット。

境界線が曖昧になることで、仕事効率が下がるのです。
本来であれば就業時間内にやるべき仕事ですが、持ち帰り残業に慣れてしまうと「時間内に終わらなかったら自宅に持ち帰ってやればいい」と気のゆるみにつながるでしょう。
就業時間中に集中力を保つことができず、時間内に終わらせるための仕事効率も考えなくなります。
考えるという作業は面倒なので、自宅に持ち帰ってやった方が楽だからです。
持ち帰り残業をすることで本来の仕事効率が下がるなんて、まさに本末転倒ですよね。

労働と対価のバランスが取れない

会社員の給与は労働の対価ですが、持ち帰り残業はサービス残業そのものなので、働いても働いても給与が上がらないという不合理が起こります。

労働と対価のバランスが取れないことはモチベーションにも影響しますし、不満も蓄積されていきます。

さらに、持ち帰り残業をする人と、会社の指示を守って就業時間内にだけ働く人とでは、結果に大きな差が出るでしょう。
当然持ち帰り残業をした人の方が労働時間が多いため、それなりに結果がでるわけですが、持ち帰り残業をしない人からすれば不公平です。
リスクヘッジのため、持ち帰り残業をしないで時間内でやり切ろうと頑張っているのに、さまざまなリスクをさらしながら持ち帰り残業をする人の方が評価されやすいのです。
従業員間におけるアンバランスも企業経営に悪影響をもたらすでしょう。

企業体質の根本的な見直しにつながらない

従業員に残業しないように徹底しておきながら、仕事量は以前と変えず、持ち帰り残業を容認している企業もあります。

社員が社内で残業しないことで、長時間労働をしないホワイト企業であることを世間にアピールでき、仕事量は変わらずタイムカード上の時間が減るため、単純に人件費だけを削減することが可能だからです。
企業側はリスクを承知していながらも、自分たちが受け取るメリットを優先させているのです。
本来であれば、残業を削減するためには人員配置や個人の仕事量の見直し、仕事効率を上げる工夫など、さまざまな改革が必要ですよね。
従業員が我慢して持ち帰り残業をすることで、企業体質の根本的な見直しにつながらなくなるのです。

持ち帰り残業をやめるには?

持ち帰り残業のリスクを理解したら、持ち帰り残業をどうしたらやめれるか考えてみましょう。

持ち帰り残業は個人の力だけですべて解決することは難しいですが、自分にできることもあります。
ここでは、持ち帰り残業をやめる方法を紹介します。

現状把握と報告

まずは現状の仕事と、社内で働ける時間を把握します。

仕事と時間とのバランスが崩れたときに残業が発生し、社内での残業が許されないから持ち帰るわけですよね。
現状を把握したら報告・相談などの次のステップに移ります。
報告・相談内容は下記の4つです。

1.仕事の量や質など現状報告
2.1の仕事をこなすために本来必要な時間
3.社内で労働可能な時間
4.社内では到底完了できない仕事のため、持ち帰り残業をせざるを得ない状況である

チームで考えをまとめて上にあげること

部下の意見を受け入れてくれる信頼できる上司であれば直接相談することも可能ですが、個人的な意見より、チームや係全体で一つの意見として上にあげる方が効果的です。

いきなり上司に行くより、まずはチームリーダーや同じ係の先輩などに相談し、チーム内で持ち帰り残業をしない工夫ができないかを考えてみましょう。
チーム全体として持ち帰り残業が恒常化しているなら、現状報告をし根本改革を訴えていくのです。

時間の効率的な使い方を身につける

他の人は時間内に仕事を終わらせているのに、自分だけが持ち帰ることになってしまう場合は、仕事量が適切かを判断するとともに、時間の使い方を振り返ることも必要です。

1人だけ仕事量がやけに多い場合は業務配分を申し出る必要がありますが、同じような仕事量の場合は工夫が足りない可能性も。
一つ一つの業務について常に効率を考えながら行っていますか?

どうしても効率のいい仕事ができない場合は、社内で効率よく仕事をこなしている人にアドバイスをもらうのも手ですよ。
仕事が早い人は、単純にパソコン作業一つとっても、ショートカットキーをたくさん使う、職場回覧などの書類は必要以上にこだわらず簡単にまとめるなど、いい意味で手抜きをしています。
頼める仕事は自分で抱えず周りに振ってしまうことも大切。
時間の使い方が上手な人を参考にして、時間内に仕事を終わらせる工夫をしてみましょう。

選択肢が一つだと思いこまないこと

スピーディに仕事をし現状報告もするなど、自分なりに努力をしたにもかかわらず、会社が抜本的な見直しを行ってくれず、仕方なく持ち帰り残業することがあります。

自分の努力ではどうしようもできないことを我慢するのは辛いことですよね。

このとき、「我慢して持ち帰り残業をするしかない」と、選択肢が一つだと思いこまないようにしましょう。
やるべきことはやったのですから、具体的な行動を起こさないのは会社の責任です。
転職、退職、部署異動を申し出る、コンプライアンス部門に訴えるなど、選択肢はいくらでもあります。

持ち帰り残業をやめる勇気をもとう

持ち帰り残業が当たり前になっている人は、やめることで評価が下がるのではないか、上司に怒鳴られるのではないかなど、やめられない理由があるのかもしれません。

しかし、持ち帰り残業には多くのリスクがあり、やるべきものではないことがお分かりいただけたはず。
やめるには勇気がいりますが、まずは今自分にできることから始め、職場全体で持ち帰り残業がなくなるよう働きかけてみてはいかがでしょうか。

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