海外へ進出!世界の人々と助け合う青年海外協力隊をご紹介します
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
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ニュースやドキュメンタリー番組を見ていると時折、発展途上国にて活躍している日本人を目にしますね。そのほとんどがWHO(世界保健機構)またはJICA(ジャイカ:独立行政法人国際協力機構)の様々な支援団体(個人)です。どちらも外務省の管轄でいずれかの団体に所属、勤務して世界中(主に発展途上国)に派遣され、各々の仕事、研究、教育、支援をしていきます。これらのような団体の中に青年海外協力隊という支援団体があります。あまり耳にしない人も多いのではないでしょうか。今回はその青年海外協力隊という仕事や転職についてお伝えしていきます。
目次
青年海外協力隊とは?
青年海外協力隊とは外務省の管轄でJICAボランティアの一つです。その他にもシニア海外ボランティアなどあります。
その他の通り、20歳から39歳の青年を対象としたメンバーで構成され、発展途上国に向けて自分の技術や知識を提供していきます。
その技術や知識とは主にコンピュータ技術、小学校教育、理科教育、野菜栽培、看護師、感染症・エイズ対策、障害児・者支援、自動車整備、電気通信、品質管理、コミュニティ開発、青少年活動、スポーツ全般などかなり多種多様です。
また更に細かく分かれていることもあり特に有資格者が活躍しています。
1年、または2年間の海外派遣となるので職業というよりはボランティアです。
ボランティアなので給料がもらえる、という考え方ではありませんが現地での生活費や派遣中の国内手当という助成を受けることができます。
1年から2年もボランティアに行ってしまうので、国内で継続中の保険や月々で払うべきものなどをある程度助成してくれるシステムになっていますが、仕事(転職)というスタンスではなくあくまでボランティアなので、資金は用意しておきましょう。私達の技術や知識を持って発展途上国へ赴き、研究、教育、支援、仕事をしてその地域の人々がより快適に、安全に人権をもって暮らすことができるようにするのが青年海外協力隊です。
青年海外協力隊の仕事内容
青年海外協力隊が発展途上国へ向けて技術や知識を発信していくことがわかりましたね。次に、その主な仕事内容です。それぞれの資格や職種によってもかなり異なるのでここでは一部抜粋してお伝えしていきます。どの分野であれ共通していることは指導という仕事内容です。
自動車整備の場合
発展途上国の職業訓練校や技術高等専門学校等で自動車整備技術を現地の学生たちに講義や実習で指導する活動です。
多くの国で車は増えて いますが、自動車整備技術は不十分であるため、整備技術の向上 は交通安全上も大変重要な課題です。発展途上国の車は日本車が多いですが、必要な 自動車整備技術を有した人材は十分でなく、整備不良車による交 通事故が後を絶たない状況です。
多くの発展途上国ではエンジン修理、 キャブレター修理など一昔前に日本で求められていた整備技術を 必要としています。よって自動車整備の場合の主な仕事は安全、快適を目標とした教育です。
もちろん日本の中古車だけを取り扱っているわけではないので、高度な電子技術や最新社の修理などの技術が必要な国もあります。
看護師の場合
看護師(保健師、助産師)の活動場所は病院や地域が中心で、地域の中核病院で、看護業務を通して、医療事故や院内感染防止、 患者中心ケアを病院スタッフにマンツーマンで指導したり県病院のICUで、看護技術の向上や看護ケア改善のための指導をします。
例えばその地域に合った清潔不潔の区別を一緒に考えたり、その地域で可能なケアの工夫を伝えていき、医療現場が安全であるように改善していきます。
地域の保健センターや村落部を巡回して、妊婦健診受診率向上のた めの啓発活動、母子手帳の普及 、看護の専門学校で、同僚とともに実習を中心に学生を指導していくこともあります。
これらの仕事は看護師だけではなく保健師、助産師の資格を持っているとより仕事の幅は広がります。また、医師と共に活動することも多いので自分の意識改革や技術向上にもつながります。
青少年活動の場合
青少年活動では自動車整備士や看護師のように特別な資格がなくても活動できる分野です。
もちろん、教員免許や何かのインストラクターなどの資格があればより活躍できますが、ここでは資格よりも経験です。
その経験を踏まえて主に学生に様々な教育をしていきます。日本では年齢ごとに段階を踏んで教育を行いますが発展途上国ではそうでない場合もあります。
成長段階に合った教育をしていくことが私たちの仕事です。例えば、教員としての経験、民間企業、公益団体、NGOなどでの業務の経験、スポーツに関する指導経験など、様々な分野で指導経験がある方が活躍しています。
青年海外協力隊で身につくスキル
元々スキル保持者が活動する青年海外協力隊ですが、その中でもさらにどのようなスキルが身につくのかをお伝えしていきます。帰国してから仕事の幅が広がったり、転職したりする際に役に立つかもしれませんね。
協調性、リーダーシップ性がアップ!
よく、宇宙飛行士は全てのメンバーが協調性とリーダーシップ性がなければならないと言われますね。
訓練でもそれらを養うカリキュラムがあるほどです。それは宇宙という未知で他の助けが絶対に来ないような場所位に赴くので争ったり、悠長なことをしている場合ではないからです。
青年海外協隊も同様で、争ったり悠長に行動している場合ではありません。
まして指導者側ですのでどのような職種でも協調性やリーダーシップ性は求められます。
現地に行く前の事前訓練や実際に現地に行ってからの家庭でそれらを学ぶことができます。
訓練や現地で養った協調性やリーダーシップ性は日本に帰って来てからも大きく役に立つことでしょう。
組織の中で仕事する上では重要な能力ですね。
言語能力(語学力)のアップ!
派遣先は主に発展途上国です。英語圏の時もあればそうでないことも多いです。
当たり前ですが現地では基本現地の言葉を使います。そのために事前訓練でも現地の言葉を勉強しますし、現地に行ってからも現地の言葉しか話せないのでかなり急速に言語能力がアップします。
少しだけ英語が出来れば大丈夫です。現代社会のほとんどの人が応募できると思います。
英語が上達する、英語以外の言葉が話せるというのはこれからの転職、就職にもつながり、仕事の幅も大きく広がります。
今持っているスキルの向上!
現在お持ちの技術や経験を基に派遣され、仲間との情報交換、現地での工夫、指導していくことでの技術や知識の定着などによって確実にスキルは向上します。
元々かなりのスキルをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、日本とは違う場所でそのスキルを発揮することの難しさがあるときもあります。
日本ではあの機械があるけどここにはない、といったような場面ではそこにあるもので工夫したり、手間をかけることもあると思います。
また、普段会わない同業者と技術や経験の情報交換をしていく中で新たな発見があるときもあるでしょう。
電気、水、ガスのない生活に対する知識アップ!
派遣先は主に発展途上国です。水が極端に少ないこともあります。
寝る場所が屋根しかない場合もあります。ガスも通っているとは限りません。電気がないところも多いでしょう。
もちろんすべての派遣先がそのような状況ではありませんが、保証はできません。
このような状況でどのように衣食住を営むか、どのような工夫が必要なのかを学ぶことができます。
キャンプでも役に立ちますし、日本に帰ってきてからの普段の節約などにも役に立ちますね。
また、災害時でもあせらず物資を有効に駆使して対処できるようになるかもしれません。
青年海外協力隊は未経験でもなれる?
青年海外協力隊自体は未経験で参加可能です。しかし、条件や未経験でもしなくてはならないこともあるので、それらについてお伝えしていきます。
まっさらな状況では青年海外協力隊は厳しい
冒頭でもお伝えしましたが、あくまでボランティア制度なので青年海外協力隊自体は未経験の方は多いです。
しかし、それぞれの職種に対してはある程度の技術や知識が必要です。プロでなくてはならないということはありませんが多少の経験がなければ採用されません。
一年に数回募集をしており、選考基準を満たしていなければ応募もできませんし、採用もされません。なぜなら、私たちは指導者であるからです。指導者側が何も経験していない、技術も知識もない状態では何もできません。
最低でも、やったことがある、程度は経験がなければ指導は絶対できないですよね。
現地に行く前にしっかりサポート!
青年海外協力隊が初めての方には特に訓練プログラムが組み込まれています。
その人の能力や派遣期間にもよりますがおおよそ1か月から2か月です。衣食住の工夫、現地のでの留意点や心得、各種対処法、語学勉強などがあります。
いきなり採用されて現地に放り込まれるわけではないので安心できますね。
青年海外協力隊に必要な資格
基本的に資格がなければならないということはありません。職種によっては資格が無ければ採用されないものもありますが、大切なのは技術、知識、経験なので特に取らなければならないということはありません。
しかし、あったほうが採用されやすい資格というのもあります。
職種によってあったほうが有利な資格もあるでしょうし、英語検定などもかなり心強いです。
例えば看護師ならば看護師の資格だけではなく助産師、保健師の資格、その他医療に関係する資格を持っていたほうが有利であり、仕事の幅も広がります。
資格というほどではなくとも、講習を受けたという認定書があるだけでも有利になることもあります。
青年海外協力隊が向いている人
青年海外協力隊にはどのような人が向いているのでしょうか、ここでは技術、知識、経験以外の事についてお伝えしていきます。
協調性、リーダーシップ性のある人
身につくスキルでもお話ししましたが、とても重要なことです。どうしても強く持っていなければならないというわけではありませんが、適正としては高いでしょう。
協調性、リーダーシップ性のある人のほうがより採用されやすくなりますし、現地で活躍できます。
忍耐力のある人
現地では日本と異なることがかなり多いでしょう。文化、生活、食べ物、利便性、言語など様々な場面で理解、受容し我慢をしなくてはならないこともあるかもしれません。
例えば、トイレ問題など。国によって、かなり違いますよね。
それらに対して理解と受容をしていくことが出来る人が向いているでしょう。
相手を思いやる心
青年海外協力隊はボランティアです。相手を思いやる心がある人が大前提となっています。自己中心的な人や相手の事を考えられない人には向いていません。支援してあげたい、発展してほしい、何か力になりたい、助けてあげたいという気持ちが一番大切です。ボランティアなので見返りを求める様な人も向いていません。ある程度青年海外協力隊として活動が決まれば支給される物もありますが、最低限の金額、物資になります。
青年海外協力隊で働く上で気をつけること
現地にて、または現地に行く前に気を付けなければならないことについてお伝えします。日本とは違う環境に赴くことになるので自分を守るために必要なことです。
様々な侵入経路から忍び寄る感染症
海外、特に発展途上国は日本では流行していない感染症や毒を持った生物がいる可能性があります。
また、水汚染など現地の人々は耐性があり問題なくとも、きれいな水で生きてきている日本人には飲めない水であることもあります。
感染症は水だけではなく、空気感染、接触感染、血液感染、媒体感染(蚊などによる)などもあります。
いつ、どこで、どのように感染するか未知ですので、現地に行く前にはどのような感染症が流行っているのか、水は飲めるのか、気を付けるべき生物はいるのかなどを調べておく必要があります。
また、事前に健康診断、予防接種を行い、帰ってきてからも健康診断を行う事が望ましいでしょう。
争い
青年海外協力隊では協力する事がとても大切です。意見を交わすことはとても大切ですが、感情的になりすぎず、相手の意見もしっかり聞いて、傾聴、理解、受容しましょう。
我慢しすぎることもありませんが、派遣されている立場、ボランティアであるという立場を忘れないようにしましょう。
自己管理
海外に派遣される際は自己管理が必要です。何度も言いますが日本とは違う環境、文化であるため体調を崩してしまう可能性もあります。そのため日本にいるときよりも徹底して自己管理に励むことが必要となります。
食事、衛生面、睡眠時間、適度なリフレッシュなど自分に合った方法を確立しましょう。
薬などは持っていけない場合もありますので特に気を付けましょう。ボランティアで派遣されている立場で体調を崩してしまっては迷惑になってしまいます。
自己のスキルアップの為に!世界の人々のために!
いかがでしたでしょうか。青年海外協力隊はボランティアのため転職というスタンスではありませんが、帰国後の転職やスキルアップ、昇格にとても役に立ちます。
青年海外協力隊で稼ぐという考え方はないので、注意してくださいね。
ただ、年齢制限もありますので気を付けてください。その場合はJICAの他のボランティア活動もありますので参考にしてください。青年海外協力隊になって、世界の人々の支援をしてみませんか。
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