地方公務員とは?地方公務員になる方法や仕事内容を詳しく解説
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
- 投稿日:
地方公務員とは?そのやりがいや仕事内容とは?この記事では、地方公務員に興味のある方向けに、地方公務員について知っておきたいことをまとめました。
目次
地方公務員とは?
地方公務員は主に地域に密着した仕事をしており、地域住民から行政に求められているものをくみ取りつつ、地域活性化をしていく事が求められています。
仕事としては例えば治安、消防、水道、交通や教育、文化事業など様々なものがあります。
地方公務員は自治体の役所のほか、公立の学校や図書館、福祉施設から上下水道施設にまで職員として勤務する人がいます。警察組織や消防組織などに所属する人の大半も地方公務員となっています。
地方公務員の種類とは?
また地方公務員は大きく、「一般職」と「特別職」に分類されています。知事や副知事、市町村長や副市長村長などが「特別職」その他が「一般職」と呼ばれています。
また、試験の難しさにより初給、中級、上級という形で分類するやり方もあります。
初給、中級、上級の違いについて詳しく見ていきましょう。
地方上級公務員とは?
大卒程度の試験です。都道府県庁や東京都特別区、政令指定都市に勤務する公務員を指します。地方自治体の中では「幹部候補生」として扱われます。
受験の年齢上限を30歳前後に設定している自治体が主流となっています。大学生でなくても、第二新卒として、公務員を志すこともできるのです。
地方中級公務員とは?
短大や専門学校卒業程度のレベルを想定した試験で、中堅幹部候補となります。
一般行政などの事務職をはじめ、保育士や栄養士等の資格免許が求められる職に就く人、土木・建築・電気・化学などの技術職として働く場合もあります。
地方初級とは?
高校卒業程度を想定したレベルの試験を突破することでなれる公務員です。都道府県が採用します。幹部候補生とは扱われませんが、県庁や市役所など、一般行政職の初級試験は高倍率であり人気の職です。
公安系地方公務員とは?
警察官、消防官などのうちの公安職です。「埼玉県警」「京都府警」などから分かるように、警察や消防はほとんどが地方公務員となっています。そのうち、警視庁の警察官」や「東京消防庁の消防官」が公安系の地方公務員となっています。
試験に特徴的なのは、試験で身体検査や体力測定があることです。仕事上、体力が求められることも多いですから当然のことです。
筆記の受験勉強も大切ですが、体を動かすことも重要となります。
社会人対象の地方公務員試験とは?
地方公務員を目指せるのは、新卒や30歳までの若い人材だけではありません。民間企業で経験を積んできた方対象の採用枠、地方公務員試験も存在します。
思いのほか、社会人経験者が対象の試験は多くあります。平成29年度には、全都道府県政令市の8割以上の自治体において、社会人者枠の採用が実施されています。
59歳まで受験可能な自治体も増えており、社会人経験者採用の上限年齢は緩和されつつあります。
社会人経験者採用試験の内容は行政事務職の場合、「教養試験」「小論文」「経験者論文」「面接試験」という内容が主流です。教養試験の出題は40問で、高卒~大卒までレベルは多様です。
地方公務員の分類を職種ごとに解説
ここでは、行政職、専門職、特別職などの観点から分類をしていきます。
行政職とは?
多くの人が思い浮かべる窓口で対応する公務員など、役所での勤務を行う職員が行政職に当たります。住民の生活を支える各種のサービスを提供します。
技術職とは?
専門職の一種と言えます。「化学」「機械」「電気」「土木」「建築」「農業」「農学」などに詳しいスペシャリストです。
心理職、福祉職とは?
心理職とは、各種相談所において心理判定などの業務に携わります。「福祉職」は児童相談所や福祉事務所でケースワークに関わります。
心理職は無資格で受験できることもありますが、「臨床心理士」の取得が条件の場合もあります。
福祉職も、「社会福祉主事任用資格」などが求められる場合があります。
その他の専門職
専門職にはほかにもあります。「看護師」「薬剤師」「獣医師」「保健師」「栄養士」「司書」も地方公務員です。
自治体により採用職種は、人数も多くありません。
地方公務員になるための方法とは?
地方公務員になるには、地方公務員試験を受けて合格し、その上で内定を取る必要があります。
地方公務員の試験は各自治体独自に行われています。前にも記したとおり、レベルにより「上級(大卒程度)」「中級(短大卒程度)」「初級(高校卒程度)」に分類されます。なお、東京都の場合は「Ⅰ類」「Ⅱ類」「Ⅲ類」と言う分類です。
この分類は学歴を指しません。実際に大卒でなくても大卒レベルを受けることができます。
ただし、自治体の中には初級を受験できるのは高卒者だけと定めている場合もありますので注意が必要です。
この試験を突破し、良い成績を修めることが地方公務員になる上での条件になります。地方公務員になるための流れは、以下の通りです。
出願⇒第一次試験(筆記)⇒第二次試験(面接)⇒最終合格発表⇒採用
最終合格者は、採用候補者として職種ごとに作成する採用候補者名簿に成績順に登載されます。
そこから採用予定者数に応じて採用内定者が決められるのです。最終合格者になった人全員が内定をもらえるわけではありません。
地方公務員のやりがい・魅力とは?
地方公務員のやりがいとは何なのでしょうか?ここでは、地方公務員のやりがいについて確認してみましょう。
地域貢献ができる
地方公務員はその地域に根ざし、地方のプラスになるための活動を行っています。その地方の観光客が増え、地元住民が支障なく、より便利で豊かに、快適に生活をできるようになるためのお手伝いをする。
そんな社会に与える影響の大きさは大きなやりがいでしょう。
転勤が限定されている
国家公務員が異動が多いのに対して、地方公務員は県内の移動に限定されます。市役所レベルになると異動もなくなることもあります。
自分が住みたい地域で長く働くことができるのも地方公務員の魅力でしょう。
地方公務員の試験日程とは?上級の場合
都道府県と政令指定都市の場合、上級職一次試験の実施時期は共通しています。
以下のような時期の流れが主流です。
- 受験案内配布 4月下旬
- 申し込み受付期間 4月下旬~6月上旬
- 第1次試験日 6月下旬
- 第一次試験合格発表 7月上旬~中旬
- 第二次試験日 7月下旬~8月上旬
- 最終合格発表 8月下旬
地方公務員の給料・年収とは?
給料の平均は、32万1,689円。ここに諸手当を合計した給料月額の平均は、36万5,549円です。
約400万円程度の収入になります。
もちろん、すべての年代や職種を含んでいるので、上下はしますし、年齢が上がるまではこれほどはもらえません。
一流企業や大手企業に比べると劣るが、中小企業に比べると高い、というレベルでしょうか。
地方公務員のボーナスはどれくらい?
地方公務員のボーナスの平均は74万2千円(平均年齢42.3歳)となっています。
地方公務員の中でも、ボーナスが多めなところでは、80万程度です。
都道府県所属の地方公務員の場合、上位の都道府県と金額は以下のようになっています。
- 滋賀県 81万8100円
- 福岡県81万6350円
- 静岡県81万3700円
- 茨城県81万3650円
- 東京都81万2150円
市区町村所属の地方公務員の場合、
- 東京都中野区 84万8900円
- 東京都多摩市・兵庫県三木市 83万6900円
- 東京都羽村市 83万5500円
- 埼玉県ふじみ野市83万4950円
となっています。
政令指定都市所属の地方公務員の場合
- 神奈川県横浜市 83万750円
- 京都府京都市81万6950円
- 兵庫県神戸市78万3250円
- 福岡県福岡市77万3250円
- 神奈川県相模原市77万900円
70万~80程度の場合が目立つと言えそうです。
地方公務員法とは?
地方公共団体においての人事に関する基準が定められている法律です。
一般職地方公務員の任用,職階制,給与,勤務条件,分限および懲戒,服務,研修および勤務成績の評定,福祉および利益の保護,職員団体など,人事行政に関する根本基準を定めています。
地方公務員共済組合連合会とは?
地方公務員共済組合連合会とは、共済組合の長期給付に係る業務の適正かつ円滑な運営を図るため、地方公務員の加入するすべての共済組合により組織される団体です。
以下のような事業内容があります。
- 年金積立金の管理・運用
- 組合から預託された業務上の余裕金の管理・運用
- 技術的及び専門的な知識、資料等の提供※年金事務機械処理標準システム等の開発・提供
- 実施機関との情報交換及び連絡調整
- 厚生年金拠出金及び交付金に関すること
- 基礎年金拠出金の納付等
- 付与率・基準利率等の算定
- 国家公務員共済組合連合会との財政調整拠出金に関する事務
- その他目的を達成するために必要な事業
地方公務員災害補償基金とは?
地方公務員災害補償基金とは、公務上の災害又は通勤による災害を受けた地方公共団体等の職員に対して社会的な復帰を行うお手伝いを行う団体です。
具体的には、災害時に地方公務員災害補償法に定める補償を行うほか、社会復帰の促進、職員及びその遺族の援護、公務上の災害防止に関する活動に対する援助などを通して、地方公務員やその遺族の福祉に必要な事業を行う地方共同法人となっています。
地方公務員の退職金とは?
地方公務員の60歳定年退職者の退職金は平均2200万円前後です。
事例として、都道府県・指定都市・市区町村(特別区を含む1722団体)の公務員のうち、平成28年4月1日~平成29年3月31日に退職した人の退職手当の平均支給額をチェックしていきます。
都道府県(47団体)
- 全職種 約1170万円(最高額は徳島県 約2069万円)
- 一般職員 約1331万円(最高額は三重県 約1988万円)
- 一般職員のうち一般行政職 約1571万円(最高額は大分県 約2153万円)
- 警察職 約1873万円(最高額は福井県 約2114万円)
- 教育公務員 約1139万円(最高額は大分県 約2249万円)
指定都市(20団体)
- 全職種 約1624万円(最高額は広島市 約2080万円)
- 一般職員 約1648万円(最高額は広島市 約2073万円)
- 一般職員のうち一般行政職 約2044万円(最高額は広島市 約2264万円)
- 教育公務員 約1760万円(最高額はさいたま市 約2365万円)
実際、職種により変動はします。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitter で仕事を旅するキャリアジャーニーを
フォローしよう!