子育て支援に資格取得!中小企業の福利厚生制度はどうなっているの?
- カテゴリ名:業界・職種・企業研究
福利厚生制度の充実は、就職先や転職先を決める際の条件になっています。
大手企業や有名企業は、子育て中の社員への支援やユニークな福利厚生の取り組みがメディアでも紹介され、会社の宣伝として使われているところもありますよね。
それでは、従業員が100名以下の中小企業の福利厚生はどうなっているのか気になるという人もいるはずです。
そこで今回は、中小企業の福利厚生への取り組みと働きやすい環境作りのためにはどんな福利厚生制度が必要なのかまとめていきます。
目次
人材を確保するためには「福利厚生制度」の充実が大切と考えている中小企業は多い(※1)
中小企業というと、地域密着型で知名度が低いイメージがあります。
実は地域への貢献を目指している中小企業は、従業員を定着させるために福利厚生に力を入れている企業も多く、働きやすい環境作りをしています。
福利厚生における取り組みは、企業の採用ページでも紹介され、自社のPRにも役立っています。
地元の企業への就職や転職を希望している人は、大手企業や有名企業だけでなく中小企業の採用情報もチェックしてみましょう。
人材定着における取り組みに関しては、企業と従業員の間でギャップがある(※2)
企業が人材定着の取り組みとして「賃金の向上」や「職場環境の美化・安全性の確保」が有効と考えており、従業員が力を入れてほしいと思っている子育てや介護の支援は、企業としてはあまり有効ではないとされています。
中小企業の離職率は大手企業に比べると高いともいわれますが、人材定着に対する、経営陣と従業員の考え方の違いも離職率の高さに繋がっているのかもしれませんね。
子育て・介護支援と研修制度は人材定着のために有効な試み(※3)(※4)(※5)
女性の社会進出に従い、結婚や出産後も仕事が続けやすい環境作りが必要といわれていますが、中小企業の場合、大手企業のように環境が整っているところは多くはありません。
若手を育成したいと考えているなら、育休や時短勤務、保育園の保育料の補助といった子育て支援は有効になりますよね。
また、高齢化社会ということもあり親の介護をきっかけに離職するケースも増えています。
人手不足の解消を考えると、介護離職されるよりは、介護休暇や時短勤務の対応ができるほうが人材は定着しやすいはずです。
また、キャリアアップを目指す従業員には「資格取得支援」も有効でしょうし、新卒で入社する従業員のなかにはパソコン操作をはじめ仕事に対する不安を抱えている人も多くいます。
新入社員研修の際に、できるだけ仕事に対する不安を解消できる雰囲気にしたり、フォローアップしやすい環境にすることも人材定着のためには必要といえます。
中小企業の福利厚生で必要なことは?
高度成長期のような豪華な保養所といったハコモノは必要ありませんが、企業の規模に合うような、人と人を結びつけるような制度があると働きやすいですよね。
定年間際の社員のセカンドキャリアを支援したり、年代別にライフプラン講座を行うなど、仕事だけでなくライフスタイルが充実する福利厚生を提案することが必要でしょう。
就職、転職希望者は「人間関係」が良好な企業への入社を希望している(※3)
就職や転職での不安材料といえるのが、人間関係です。
会社の規模に関係なく、上司と部下のコミュニケーションが取れている企業は離職率が低いともいわれています。
また、面接の際の採用担当者の様子から会社の雰囲気を感じ取り、「人間関係」が良さそうに感じたらから入社を決めたという人もいたりします。
社内の人間関係は、入社してみないとわからない所もありますが、社内コミュニケーションは従業員募集時のアピールポイントにもなります。
会社の「健康経営」といわれていますが、人間関係の良さや社内コミュニケーションを大切にすることが「健康経営」には必要でしょう。
パワハラやセクハラのハラスメント対策も必要(※2)
人材定着における考え方で、経営陣と従業員の考えが異なるのがパワハラやセクハラのハラスメント対策です。
ブラック企業が社会問題化したことをきっかけにハラスメント対策が重要視されるようになりましたが、パワハラやセクハラといった問題はなかなか解決していませんよね。
パワハラやセクハラを受けても、表立って意見は言えませんし、相手が上司だとすればさらに話しにくいでしょう。
社内コミュニケーションを重視するのであれば、パワハラやセクハラをなくすためのハラスメント対策は必要です。
なにか問題が起きたときには、相談がしやすい環境を作るということも、離職者を出さないためには大切だといえます。
若手従業員には他社との交流も有効
中小企業のなかには地域密着型の会社も多いですよね。
同じ地域内の他社と交流することも、従業員の仕事へのモチベーションを上げるきっかけになります。
とくに若い従業員は、同世代の他社の社員と交流がきっかけで、仕事に対する不安や悩みを解決することがあります。
同業種だけでなく異業種の人と交流することで、地域に役立つことができるかもしれませんし、人材も定着しやすいかもしれませんよ。
従業員定着のためには、メンタルヘルスや健康管理への取り組みも大事(※6)(※7)
病気の早期発見という意味では、健康診断や人間ドック、がん検診が有効ですが、病気を防ぐためには、食生活や規則正しい生活といった、日ごろの健康管理も大切だといえます。
社員食堂に力を入れる企業が多いのも、バランスの良い食事をすることで健康管理をしてほしいという思いがあるからです。
またうつ病をはじめとした心の病で休職や離職をする人も多いことから、メンタルヘルスケアの一環として平成27年12月より「ストレスチェック制度」が義務化されましたよね。
日ごろのコミュニケーションと合わせてストレスチェックを実施することで、従業員が抱えている悩みや問題がわかるので、心の病を未然に防ぐこともできます。
心と体の両方が健康でなければ、働くことはできません。
従業員を定着させるためにも、会社は健康管理に力をいれることは必要でしょう。
在宅勤務やテレワークの導入も今後の課題(※2)(※8)(※9)
子育てや介護との両立、災害時に出勤ができない場合、在宅勤務やテレワークは有効といわれています。
例えばサイバーエージェントの「キッズ在宅」のように、子供が病気のときには在宅勤務が可能になれば、仕事を休まなくて済みますし、子育てをしながらでも仕事を続けやすいですよね。
職種や業界によっては、在宅勤務やテレワークの導入は難しく、経営陣からすると人材定着に役立たないと思われていますが、従業員のなかには希望している人も多い制度です。
共働き世帯やシングルマザー、シングルファーザー、介護をしながら働く人にとっては、在宅勤務やテレワークの導入すれば働きやすくなるかもしれないということも理解しておきましょう。
応募者が福利厚生制度でチェックが必要なこと
まずは、社会保障を中心とした法定内福利厚生と企業独自の法定外福利厚生の区別をつけることが大切です。
法定内福利厚生は法律で定められたものなので必ずあるものですが、法廷外福利厚生については会社によって違います。
企業独自の福利厚生というと社員旅行のようなイベントや休暇制度にばかり目を向けがちです。
就職や転職で求人に応募する際は、企業独自の福利厚生が自分にとって本当に必要なことなのか確認することも必要でしょう。
退職金制度や財形貯蓄制度の有無(※4)
退職金制度や財形貯蓄制度、企業年金といった、お金に関する制度があるかもチェックしておきましょう。
日本の企業は、終身雇用制度で知られていましたが、雇用形態の変化から年功序列よりも成果主義を優先する企業も増えています。
こうした成果主義の企業では、退職金制度や財形貯蓄といった制度が一切ない場合もあるのです。
新卒で就職の場合、老後なんてまだ先と思いがちですが、将来どんな風に過ごしたいのか考えることは大切でしょう。
入社してから退職金制度がない、財形貯蓄や企業年金といった積み立て制度がないことを知って慌てないためにも、お金の制度は調べておいてくださいね。
交通費や住宅手当の支給も必ずチェック(※10)
交通費や住宅手当は法定外福利厚生、企業独自の福利厚生になるので、企業によっては支給されないこともあります。
住宅手当はともかく交通費は支給されるのが当たり前という認識があるので、応募時に全額支給されるのか、それとも上限があるのか調べておくことが必要です。
住宅手当に関しても、家賃に関しての補助なのか、住宅ローンにも適用されるのかチェックしておきましょう。
福利厚生が企業独自のものなのかアウトソーシングしているかも調べておく
交通費や退職金、財形貯蓄、産休、育児休暇、介護休暇、住宅手当は制度化されている企業も多いのですが、保養所などの宿泊施設や資格取得支援の制度は企業によって違います。
最近は、最低限の制度のみ企業で行い、余暇や学びの部分の福利厚生は外部にアウトソーシングしていることもあります。
アウトソーシングの場合には、委託している会社名を確認しておくことも大事ですが、会員であれば全てのサービスが利用できるのか、ポイント数で利用できるサービスが限定される「カフェテリアタイプ」や「インセンティブポイント制」なのか確認することも必要です。
企業独自の福利厚生が良いのか、それともアウトソーシング型の方が良いのか、会社員として仕事をする際にどちらが都合が良いかチェックしてから求人に応募したほうが、働きやすいかもしれませんね。
福利厚生制度を通して中小企業にも注目してみよう!
中小企業の福利厚生は大手企業の充実した制度に比べると、見劣りしてしまうかもしれませんが、アウトソーシングを利用したり、会社の規模に合わせて独自の福利厚生を提供している企業もあるので、調べてみると大手企業や有名企業と変わらない場合もあります。
企業研究する際は、福利厚生の内容から応募企業を選定してもよいでしょう。
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