日本はまだまだ長い!海外の労働時間の事例

日本はまだまだ長い!海外の労働時間の事例

一日8時間、週40時間というのが基本的な日本の労働時間ですが、実際はそれ以上に働かざるを得ない状況が続いているようです。
週40時間というのも、世界的には長めの傾向にあるようです。
特に労働時間が短いことで知られるヨーロッパの労働時間を見ていきましょう。

デンマークは週37時間だけど

デンマークの法定労働時間は、週37時間なのですが、経済協力開発機構OECDの調査によると、デンマークの人たちの平均労働時間は週33時間なのだそうです。
この短い時間での生産性は世界でもトップレベルを誇っています。
また、日本でいう雇用保険のような制度では、12ヶ月間の就労後に5週間の有給休暇が与えられるという寛容さがあります。
OECDは、デンマークの労働者のプライベートの充実度が仕事の生産性に寄与していると考えています。
日本のように労働時間が長いのは考えようによっては良くないのかもしれないですね。

都市別でも短さは顕著なフランス

フランスの労働時間の短さは世界的にもトップレベルです。
都市別の統計も出るほどで、パリで週30.84時間、世界平均より約2割も下回っています。
リヨンでは週31.36時間、年間の有給休暇取得日数は、約28.5日というデータもあるようです。

スウェーデンは1日6時間制

スウェーデンは、男女平等の文化が濃いことでも有名で、男女ともに働く環境への配慮が手厚いという特徴があります。
スウェーデンの多くの企業が1日6時間制を導入しています。裁量労働制が取り入れられ、育児や家庭の都合などで15時退社も認められているようです。年間5週間の有給休暇取得は法律で義務付けられています。

ドイツらしいワークライフバランスの規制

規制に忠実に従うという国民性のイメージの強いドイツでは、長時間労働に対する規制も厳しく、そしてしっかり守られています。
行政からの監査が入り、社員の労働時間記録をチェックするほどの徹底ぶりで、違反があると企業は罰金を支払わなくてはなりません。
残業時間は、その分は労働時間の中で代わりに消化するというルールがあります。
残業蓄積時間を有給休暇に切り替えられることもあるようです。
年間平均労働時間は約1,366時間とも言われていますが、生産性は日本の1.5倍にも上るそうです。

海外の女性のワークライフバランス

女性の雇用機会や待遇を男性のそれらと平等化することもワークライフバランスの目的の一つです。
ワークライフバランス先進国では、日本ではまだ信じられないほどの手厚い対策が浸透しているようです。
政策に成功している国々は、様々なアイデアのもとに労働環境をよくする対策を成功させています。

フィンランドのパパはママのために育児休暇をとる

フィンランドでは、女性の80%以上がフルタイムで働ける環境が整っています。
出産や育児に関する休暇制度も充実していることが大きな要因です。
両親で育児を行うことが義務化されていて、パパ・クオータ制度を導入。
男性が育児休暇を取らないと、母親である女性が休暇をとる権利を失ってしまうのだそうです。
ママのためにパパに休暇を取らせるという何とも憎いルールで取得率を上げているそうです。

女性が働きやすい国ランキング!日本は何位?

アメリカのNews&World Reportが、ビジネスコンサルティング会社や専門大学機関の協力を経て「女性が働きやすい国ランキング」を発表しました。

世界80か国の女性の働き方について、様々な角度から調査された結果です。

1位 スウェーデン

2位 デンマーク

3位 ノルウェー

4位 オランダ

5位 カナダ

6位 フィンランド

7位 スイス

上位国を見ても、5位のカナダを除き、ヨーロッパのほぼ独占状態という結果となっています。

上位20か国を見ても、なんと15か国がヨーロッパの国です。
日本はというと、80か国中、17位にランクインしています。
昨今の日本政府の積極的な改革の影響も見え隠れするところでしょうか。
しかし日本は先進国としてはまだまだのようですね。

日本が世界のワークライフバランスに近づくには?

1990年時点で、日本の年間労働時間は、平均2000時間を超えていたそうです。
現在でもヨーロッパ各国との差は大きい(250時間以上の差)とは言え、2014年には平均1729時間と大きく縮小されています。
協調性を重んじ、チームや集団での行動を優先する文化要素の強い日本人ですが、ヨーロッパ諸国のようにワークライフバランスを充実させるにはどうすればいいのでしょうか。

長時間労働のマイナスを直視する

長時間働いても、それに見合う生産性を生み出せていないと懸念されている日本。
働く個人も、企業も、社会もポジティブな環境になっていくのがワークライフバランスの目的です。
長時間労働のマイナス点を知り、現在の環境を見直す必要があるでしょう。

スキルレベルの低下

残業が当たり前になり、いくらでも時間があるという気持ちが根付いてしまうと、時短のためにスキルを向上させる必要性に気付けなくなります。
この仕事スタイルのサイクルの中で、スキルを向上させていくことは難しいでしょう。

様々な弊害につながる

長時間労働が常になると、ストレス発散のチャンスが少なくなる傾向を作り出します。
ストレスが溜まった状態での仕事は、仕事の質を落とすことに繋がります。
仕事のミスの修正に時間を割くことになるでしょう。
さらに、ストレスを発生させる可能性は高くなります。
日本では、仕事のストレスからの「過労死」も現実に起きています。
ストレスによる体調不良が、長引く精神疾患に繋がってしまう人も多く、休職や退職に追いやられてしまうケースも少なくないのです。

休息のメリットを追求する

日本は、休息や休暇を怠惰と取る風潮を払拭できていません。
企業の休暇制度が整ったとしても、働く人たちのマインドがそのままでは実践されないままです。
休息することの重要性を、しっかりと認識する必要があります。
休暇が増えても、時間をうまく使えない人も多いようです。
人によって価値観も、自分を取り巻く環境も異なるので、過ごし方は千差万別でしょう。
自分の休暇の過ごし方も、もっと上手になっていく(管理していく)ことが求められています。

日本に合うような政策を

もちろん他国とは、国の経済情勢も、環境も、歴史も将来展望も異なるため、ヨーロッパ諸国の政策を、日本の企業が導入したからと言ってすべてがうまく機能しないかもしれません。
企業レベルでは、日本でも、福利厚生などで画期的な対策が取られているところも出てきているようです。
その対策が機能している企業は、経営陣や管理職が自ら実践して社員のワークライフバランスをけん引しています。
そういった現場の積極的な取り組みに対する、法律の後押しも必要なのかもしれません。

海外事情:ワークライフバランスのための権利と義務

ヨーロッパの羨ましくなるほどの労働環境を紹介しましたが、ヨーロッパの人たちは、各制度の恩恵を受ける権利の代わりに、日本の何倍もの税率で税金を納めるという義務も果たしています。
長い自由な時間は、仕事の生産性を上げるための活動が意識的に、計画的に使われているのです。
見習える部分は、いくつも見つかりそうですね。

 

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