介護の派遣期間中も育休は取れる!?介護派遣と育休の制度

介護の派遣期間中も育休は取れる!?介護派遣と育休の制度

介護派遣スタッフが妊娠、出産した場合にも、育休を取得することができます。
ただし、介護派遣スタッフの場合は、契約期間や労働日数など所定の要件を満たさなければなりません。
詳しい育休取得の要件と、介護派遣スタッフの育休の取り方について解説します。

介護派遣でも利用できる?育休の制度とは

派遣スタッフとして介護施設で働く方の中には、育休を諦めている方も多いかもしれませんね。
しかし、介護派遣スタッフでも育休を取得できるケースもあります。
まずは、そもそも育休とはどんな制度なのかについて、説明しましょう。

子どもが一歳になるまでの間に得られる、育児のためのお休みのこと

育休とは、文字通り「育児のための休業」で、「育児休業制度」というのが正式な名称。
厚生労働省によると、育休とは「1歳に満たない子どもを養育する男女」に認められた制度で、「1歳になるまでの間で希望する期間」、育休を取得することが可能です。
ただし、育休は無条件に取得できるわけではありません。
介護派遣スタッフの様に、有期契約の場合には、育休取得のために一定の要件を満たす必要がありますが、詳しくは後述します。

女性は産後8週以降、男性は子どもが生まれたその日からOK

男性の育休取得に関するニュースを見聞きした方は多いかもしれませんが、そもそも、育休は男女に認められた権利ですので、男性でも取得することができます。
女性の場合は、産後8週以降、男性の場合は赤ちゃんが生まれたその日から育休の取得が可能です。
なお、女性の育休が「8週以降」というのは、出産の翌日から8週間は産休として扱われ、就業できないことになっているため。
出産から継続的に休業する場合でも、制度上は、産後8週までは産休(産後休業)で、それ以降が育休ということになります。

育児休業は原則1年間

育休は育児のためならいつまでも取得できるかというと、そうではありません。
原則としては、「子どもが1歳になるまでで希望する期間」とされていて、その期間は1年間です。
ただし、待機児童の問題などで保育所等に入れない場合には、育児休業を延長することもできます。
介護派遣スタッフの様に、契約期間に定めがある場合には、契約期間に合わせて育休の長さを調整するケースもあります。

育休を取得するためには?介護派遣に必要な「要件」と申請方法

育休は誰もが利用できるかというと、必ずしもそうではありません。
介護派遣の様に、有期雇用の場合は、育休の取得に対し、以下のような一定の要件が定められています。
また、法律上の定めの他にも、派遣会社との労使協定などで育休について定めがある場合には、その派遣会社の規定にも従う必要があります。

雇用期間が1年以上必要

介護派遣スタッフの場合は、育休申請の段階で、「同一の事業主に引続き1年以上」雇用されている必要があります。
そのため、介護派遣スタッフとして就業間もないという方は、育休を取得することができないのです。
介護派遣で育休取得のためには、まずこの雇用期間の定めをクリアしなければなりません。

子どもが1歳になっても、引き続き、契約継続が見込まれている

続いて、「子どもの1歳の誕生日以降も、引き続き雇用が見込まれている」かどうかが問題になります。
たとえば、現段階の介護派遣スタッフとしての契約書に、契約更新の可能性が示唆されていて、かつ、契約更新後に1歳の誕生日を超えて雇用の可能性がある場合には、要件クリアということになります。
ここでいう「契約更新の可能性」とは、「契約を更新する場合がある」や「業績が良ければ契約を更新する」という文言でもOK。
一方で、育休中に介護派遣スタッフとしての雇用契約が終了する場合や、介護派遣の契約更新の可能性がない場合には、育休を取得することができません。

1週間の労働日数が3日以上は必要

介護派遣スタッフとして就業している場合、就業日数も育休の要件のひとつ。
育休を取得するためには、1週間の勤務日数が3日以上である必要があります。
介護派遣の日数が週に2日以下という場合や、単発派遣のような日雇いの場合には、要件を満たせず、育休を取得することができません。

要件を満たしたら、派遣会社へ申請しよう

要件を満たし、育休の取得が可能という場合、介護派遣スタッフは所属する派遣会社へ育休の申請を行います。
育休を取得する場合は、育休開始予定日の1ヶ月前までに申請が必要です。
出産予定日が分かった段階で、産後も継続して働くのかどうかは事前に決めておき、早めに申請するようにしましょう。
産休に続けて育休を取得する場合は、遅くとも産休前に申請をしますので、より早い段取りが必要です。

また、介護派遣スタッフの場合は、派遣会社の労使協定によって、育休取得の要件が追加となるケースもあります。
妊娠が分かった時点で、育休の取得に関しては、あらかじめ派遣会社に相談しておくといいですね。

育休後でもOK!介護派遣で働くママも利用したい制度

出産後に育児のために利用できるのは、育休だけではありません。
介護派遣で働きながら子育てをする場合には、次のような制度を利用することもできます。

子どもが1歳になる前に復帰したら、「育児時間」が請求できる

生後1年に満たない子どもを育てている場合には、「育児時間」を請求することができます。
育児時間は、1回30分間で、1日計2回まで取得することができます。

この育児時間は、もともとは赤ちゃんの授乳のために設定されたもの。
たとえば、職場の託児所に子どもを預けている場合などは、育児時間として仕事を中断することもできますが、介護派遣の場合はそうもいきませんよね。
そのような場合には、出勤時間を遅らせたり、退勤時間を早めたりして取得するケースもあります。

小学校入学前までは、時間外労働・深夜業も制限できる

赤ちゃんの時期を過ぎでも、子どもが小学校に上がるまでは、残業などの時間外労働は制限されます。
あわせて、午後10時から午前5時までの深夜業も免除してもらうことが可能です。

介護派遣の場合は、あらかじめ残業時間に関しては取り決めがあるため、時間外労働や深夜業の調整は、比較的しやすいかもしれませんね。
ただし、介護派遣スタッフとして注意しなければならないのは、やはり雇用期間で、雇用期間によっては、時間外勤務や深夜業の制限が申請出来ないケースもあります。
また、深夜業の制限に関しては、他に保育できる同居家族がいないことも申請の要件になりますので、注意が必要です。

子どもが病気の時は看護休暇も

介護派遣スタッフは育休が明けると、子どもを保育園に預けて働くことになりますが、集団生活では子どもが病気をもらってくることも多いもの。
そんな時、子どもが小学校に上がる前までは、派遣会社に請求し、看護休暇を取得することも可能です。
病気やケガなどを理由に、年次有給休暇とは別に、1年につき5日間の休暇を申請することができます。
子どもの予防接種や健康診断でもOKです。

ただし、この場合も雇用期間が半年未満の場合は、看護休暇の申請ができません。
また、週2日以下しか勤務しないという介護派遣スタッフも看護休暇は利用できませんので、注意が必要です。

介護派遣の育休は、まずは派遣会社に相談を

介護派遣スタッフが育休を取得できるかどうかは、派遣スタッフとして働いてきた期間や契約内容で大きく異なります。
派遣会社によっては、育休取得の要件が追加されることもありますので、あらかじめよく確認しておくようにしましょう。

また、女性スタッフが多い介護派遣の特性上、育休だけでなく、妊娠中はもちろん、産後の育児に関する休暇制度が充実している介護派遣会社も増えています。
上手に活用してみてくださいね。

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