未経験でも保育士に転職できる?資格や仕事内容など基礎知識を解説します

未経験でも保育士に転職できる?資格や仕事内容など基礎知識を解説します

昨今、慢性的な保育園不足が叫ばれ、保育士不足だとも言われています。保育園に子どもを預けたい親が増える中、保育園、保育士が足りていないことが原因で預けられない現状が続いています。そんな今だからこそ、保育士が社会的に求められていることが分かります。
ここでは、未経験で保育士になれるのか・転職できるのかという疑問を中心に、保育士の仕事内容や身につくスキルなどを紹介いていきます。保育士になるための情報収集として、役立ててください。

保育士とは?

保育所などの児童福祉施設にて、乳児から小学校就学(0歳~6歳)までの幼児を保護して育てる仕事をしている人のことを指します。
以前は、「保母さん」という愛称でも親しまれていた職業です。男性も従事する人が増えてきたことにより、「保母」の「母」が女性を連想させる名前だという疑問の声があがり、そして男女雇用機会均等法の流れを受けてから「保育士」と呼ぶようになりました。

保育士の仕事内容

子どもを保護して育てるにも、仕事の中でさまざまな作業が発生すると思われます。気になる保育士の仕事内容はどういったものなのでしょうか。

子どもの身の回りの世話

子どもの日々の生活を支え、心身ともに健康な状態に保つために、子どもの顔色、声の調子、行動などを常にチェックします。食事の準備、絵本の読み聞かせ、自由遊び、散歩、園内で遊ばせながら保護者の迎えを待つなど、保護者の代わりになって世話をします。

子どもに就学前の基本的な生活習慣を身に付けさせる

健全な社会生活を送るために必要な基本的生活習慣とされる、食事、睡眠、排泄、清潔、衣類の着脱の5つを身に着けさせます。体操、手洗い、うがい、歯磨き、昼寝などをさせることで、毎日の生活習慣を学習させていきます。子どもの自立を促し、就学前の学校教育の土台作りをすることになります。

子どもに集団生活を通して社会性を養わせる

子どもたちを集団で遊ばせることや、ルールのある遊び、ごっこ遊びなどをさせることによって社会性を学ばせます。また地域での行事を企画することで、周囲の大人や保護者とのつながりをもたせ、社会性を養っていきます。

保護者への報告、子育てのアドバイス、サポートを行う

子育ての専門家として、保育士は保護者への報告だけでなく、
家庭との連携や子育てのサポートをしていく役割があります。
他の子どもと仲良く遊んでいるか、健康状態はどうだったか、食欲はあったか、きちんと昼寝ができたかなど保育園での子どもの状態を報告し、それに対する保護者からの不安、疑問点などにアドバイスをします。

保育士への転職で身につくスキル

保育士に転職をし仕事をしていく中で、現場ではどのようなスキルが身につくのでしょうか。見ていきましょう。

実践力

実践力とは子どもを的確に保育できるスキルです。子どもたちを適切な環境のもとで健康、安全に活動できるよう養護すると共に、その心身を健全に発達するように教育するために必要なスキルが身につきます。子どもには基本的な発達の目安があるので、それを復習したり発達に関する知識などを保育雑誌などを見て勉強するとスキルも身につきやすくなります。

ピアノのスキル

子どもたちに歌やお遊戯を覚えさせるために必要なスキルです。弾けると仕事の幅が広がり、昇進にも関わります。毎日の保育の中で弾くのはもちろんのこと、行事などで保護者の前で弾く機会も多くあるので徐々にスキルが身につきます。
ピアノ初心者の人は楽譜を見ながら弾くことはかなり緊張するものですが、毎日弾くことで徐々に初見でも楽譜を見ながら弾けるように上達していきます。

制作のスキル

保育士をしていて必須になってくるのが製作です。施設内の壁面だけでなく、写真アルバム、壁面以外の靴箱や扉などの空いたスペースの装飾などの制作スキルが求められます。行事などが催されるならその行事関連の制作もしなくてはなりません。色紙を使って切り貼りしたり、絵を描く場合もあるので、絵が苦手な人も絵を描くことに慣れるようになってくるでしょう。

保育士は未経験でもなれる?転職できる?

未経験でも資格さえ取得すれば、保育士に転職できるチャンスは十分にあります。詳細を見ていきましょう。

保育士資格を取得すれば転職のチャンスはある

保育士に転職する大前提として保育士資格を取得しなくてはなりません。逆に、取得さえしてしまえば、保育士になるチャンスは訪れます。保育に関連する仕事のサポートスタッフとして働きながら資格を獲得するために勉強し、保育士になった人もいるので、それに習い資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

未経験なら転職後でも研修期間がある場合も

未経験の場合は、配属されてから約1ヶ月間の研修があったりする場合が多いです。その間に実習をしながら先輩保育士の経験談を聞いたり、同期の仲間と相談しあったりすることで、徐々に仕事のノウハウを学ぶことができます。なので、未経験でも安心して仕事が始められるでしょう。

保育士転職に必要な資格=保育士資格

保育士として働くためには、保育士資格という国家資格が必要となります。保育士資格を得るには、都道府県知事の指定する(保育士を養成するための)学校などで所定の課程、科目を履修し卒業する他、保育士試験に合格するなどの方法があります。
保育士試験は、保育士養成所を卒業していなくても受験できることから、社会人となったのちに受験をすることもできます。通信講座などで学びつつ、勉強をしている人も多くいます。高校生の場合は、保育士養成学校へ入学する方が、確実に保育士資格を取得することができるでしょう。

保育士への転職が向いている人

保育士にも向き不向きがあるでしょう。向いている方が仕事をスムーズに初められます。また、ストレスも溜まりにくく、楽しく仕事ができるのではないでしょうか。
保育士に向いている人はどんな人なのでしょう。

子どもが好き

保育士を選んだ時点で子どもが好きだとは思いますが、ただ子どもが好きというだけでは保育士の仕事は難しいです。
子どもを見ているだけでなく、子どもに関わることが好きな人が向いていると思われます。保育士の役割として一緒に遊び、良いことをしたのであれば褒めるということをするだけでなく、悪いことをすればしっかり叱ることができなければいけません。子どもの成長に必要なことを認知し、自分に何ができるのかを考えられる人が適任なのではないでしょうか。

体力に自信がある

子どもを抱っこしたり、ケンカを仲裁したり、重い荷物を運んだりとなにかと体力がいります。そんな子どもたちを数十人みているとなると、なおさらです。
また、風邪などを子どもたちにうつさないために、体調管理もしっかりしていなくてはなりません。そういった意味でも、体力に自信がある人が向いているのではないでしょうか。

打たれ強くてポジティブである

子どもが泣いていればなだめたり、保護者から苦情が来れば対応したりと、ストレスが溜まりやすい職場ではあります。
また、男性保育士も増えてきてはいますが、まだまだ保育士の世界は女性中心なので、女性特有の人間関係が原因で問題が発生する場合も多いでしょう。
そんなときに、打たれ強く物事を前向きに考えられる人が向いていると思われます。

リアクションが大きい

子どもたちにとっては毎日、気付きや発見があり、それに対して何かしらの反応を欲しがるものです。
子どもが何かを発見したときに、そっけないリアクションをとっては、子どもはがっかりします。感受性豊かな子どもに合わせられるよう、大げさなくらいのリアクションがとれるほうが保育士としての素質があるのではないでしょうか。

保育士で働く上で気をつけること

日々、気を張って仕事をしていないと、うっかりミスをしてしまうことになりかねません。事前に保育士として働く上で気をつけなくてはいけないことを知っておいたほうが良いですね。

安全面

子どもが安心して過ごせるよう、保育士が環境を管理し、子どもの様子を把握している必要があります。万が一予期せぬ大怪我につながってしまう場合もあるので注意が必要です。
保育室の中や園庭、ホールなど、危険のないように常に気を配っておきましょう。子どもが遊んでいる時でも、危険な遊びをしていないか、危険な場所に行っていないか監視しましょう。

援助の加減

援助しすぎるのも子どものためになりません。なんでもしてあげると、子どもが学習できなくなる可能性があります。どうしてもできないところだけ手助けしたり、励ましの言葉をかけたりします。さじ加減の難しいところですが、先輩保育士の立ち居振る舞いを見て、子どもとの接し方を学びましょう。

保護者とのコミュニケーション

保護者と良い関係を築けないと、それがストレスになったり、最悪仕事を辞めてしまう原因となってしまいます。
保育園での子どもの様子や些細なできごとでも報告しコミュニケーションをとることで、保護者との信頼関係を築いていきましょう。特に保護者が参加する行事の時は絶好の機会なので積極的に会話を試みましょう。

合格しやすい保育士資格を取得して保育士転職を成功させよう

保育士試験は定員制ではありません。そのため、合格ラインさえクリアすれば、合格できます。また、筆記試験はマークシートの択一方式で答えやすく、1科目60%以上取れば合格になります。しっかりと勉強しておけば、自然と合格できる確率も上がってくるでしょう。
また、未経験でも転職して保育士になれることがわかりましたね。上記の「保育士は未経験でもなれる?転職できる?」、「保育士が向いている人」なども参考に保育士になるか検討してみてください。

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