未経験でも証券外務員に転職できる?仕事内容と転職前の基礎知識を解説
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
目次
証券外務員とは?
証券外務員は、証券会社で証券業務を行う上で必須の資格です。証券会社で、株式や債券等の営業を行っている営業員は全員、この資格を保有しています。また、投資信託を販売する銀行員のほか、証券業界とは関係のない一般の方でも取得できる資格となっております。
証券外務員の種類
証券外務員の試験には、一種外務員資格試験と二種外務員資格試験の2種類の資格試験があります。前者の試験に合格すると、一種外務員の資格が付与され、後者の試験に合格すると、二種外務員の資格が付与されます。
一種外務員と二種外務員の違いは?
どちらも金融商品を取り扱うために必要な資格ですが、取り扱うことのできる商品・取引に違いがあります。一種外務員は、株式や債券や投信信託を取り扱うことはできますが、信用取引やデリバティブ取引を取り扱うことはできません。一方で、二種外務員は、株式や債券や投資信託だけでなく、より高度な専門知識を必要とするリスクの高い信用取引やデリバティブ取引を取り扱ことが可能です。
試験を受験することのできる日は?
外務員試験は、月曜日から金曜日の毎日開催されております。1度受験して不合格になった場合には、再度同試験を受験することになりますが、一定期間の間隔(概ね1か月程度)を空けなければなりません。したがって、試験自体は毎日開催されていますが、毎日受験することはできません。
試験の受験環境は?
試験は書面でなくPCの画面で受験します。試験会場には多くのPCがセットされていて、PCとPCの間には簡単な仕切りがありますので、隣の人の回答を見ることもできなければ、隣の人に自分の回答を覗きこまれることもありませんので、集中して受験することができます。
試験の出題形式は?
回答はすべて選択方式で、論述問題はありません。〇か×のいずれかを選択する正誤問題と、5つの選択肢の中から回答を1つまたは2つ選択する問題があります。当然ではありますが、後者の方が配点は高くなっています。問題数は多く、一種試験では100問、二種試験では70問の問題が出題されます。満点を目指す必要はいっさいなく、70%以上の点数をとることができれば合格します。したがって、当日の試験で、今まで見たことのないような初見の問題や難しいそうな問題が出題された場合には、躊躇なくスキップして、次の分かる問題に手を付けていかなければなりません。
受験資格の条件は?
年齢や性別等による制約はありませんので、きちんと申し込み手続きを行い、受験料を納付しさえすれば、いつでもだれでも受験することができます。
気になる試験の難易度は?
外務員試験は証券会社で証券業務を行う上で必須な資格ですので、証券会社に勤める会社員であれば全員が取得している資格です。入社1年目の新入社員であっても、4月から5月の間に全員が取得します(なかには入社前の取得を義務付けているまたは推奨している会社も存在します。)。そういった性質を持つ資格ですので、難易度は全く高くはありません。ただし、あくまで試験に合格することの難易度は高くない、ということであって、問題文とその回答の意味するところをきちんと正確に理解し、自分の言葉で説明できるレベルに達することはそれほど簡単なことではありませんし、実際にそこまで理解できている証券外務員はベテランであってもそれほど多くはありません。資格試験の合格=証券知識の理解、という図式にはならないことに留意してください。
合格に近づく最短最速の勉強方法
受験勉強でいうところの『教科書』に該当するのが、日本証券業協会から発行されている「外務員必携」という資料になりますが、これを1ページ目から勉強するのは非常に非効率ですし、まず間違いなく途中で挫折します。なぜならば、「外務員必携」は、第1巻から第4巻までありまして、4冊あわせると1,500ページほどありますので、非常にボリュームがあるためです。1冊ずつ丁寧に仕上げていきたい気持ちは分からなくもないですが、1,500ページのなかから、まんべんなく均等に試験問題が出題されるわけではなく、出題されやすい部分と出題されにくい部分があります。そういった傾向をいち早く掴んでしまうためにも、市販の問題集を繰返し演習することが最も効率的で合格への最短ルートです。本屋にはいくつかの問題集が並んでいますが、それほど内容に大差はないと思います。問題集をこなしている中で、曖昧な点や不明な点が残っているときに、「外務員必携」を読んで、頭に入っている情報を整理することが効果的です。これが、「外務員必携」の正しい使い方ですので、全部理解してやろう、といった余計なモチベーションは持たないことです。また、極端なことを言えば、あまりおススメできる方法でありませんし正攻法でもありませんが、問題文と回答を丸暗記することでも合格は可能であると思います。丸暗記のデメリットとして、簡単なひっかけ問題にもひっかかるという側面もありますが、100点を目指す必要のないテストであることを踏まえればこれでも十分かもしれません。
証券外務員資格の有効期限について
証券外務員の資格は、1度取得してしまいさえすれば、半永久的に有効です。ただし、法令違反などを犯し、資格の取り消しがされた場合にはこの限りではありません。
証券外務員の仕事内容
証券外務員の仕事内容は、国内外で発行されているあらゆる金融商品の買い付けまたは売り付けの勧誘を行うことです。
取り扱う金融商品の種類
国債・社債・投資信託・株式などの金融商品を取り扱うことになります。株式などの上場商品を取り扱う場合には、個人は金融商品取引所に直接発注することができませんので、証券会社を通じて取引所に買い注文または売り注文をだすことで約定を行います。国債や社債などの非上場商品を取り扱う場合には、自信が売り方または買い方となって、相対で取引を行うことが一般的です。
証券外務員が取り扱う取引の種類
通常は、顧客は、自信が保有している現金を対価として、何らかの金融商品を購入することになりますが、自信が保有している現金以上の金額の商品を購入することもできます。こういった取引を信用取引といいますが、このような少しリスクの高い取引も証券外務員の業務の射程の範囲内です。
金融商品取引を行う上での留意点
証券外務員の報酬は、金融商品の取引を行う度に発生する手数料が原資となっておりますので、取引を行う回数が多ければ多いほど実入りが多いことになります。だからといって、顧客の意向やニーズにはそぐわない取引を行うことはできず、業法上の種々の制約がありますので、これらのルールを遵守することが求められています。ルールを逸脱した行為を行い、それが発覚された場合には、監督官庁である金融庁による厳しい罰則が待ち受けています。高額な罰金を支払うだけではなく、最悪のケースでは証券業務を行うことができなくなってしまう可能性(業務停止命令)もはらんでいます。
証券外務員に転職すると身につくスキル
証券外務員として転職し、仕事を行うことで、様々なスキルを身につけることができます。
営業力
証券外務員に求められる一番のスキルは営業力です。必ずしも利益をだすとは限らない、ときいは大きな損失が発生することもありうる、不確実性の高い商品の取得を勧誘することになりますので、その商品をおススメする理由や根拠を納得してもらい、行動に移してもらうために、あの手この手で営業をかけていくことが必須です。このような営業活動を日々実行することになりますので、当然に営業力はつきます。
相場観
価格が日々変動する商品と毎日向き合っておりますので、相場感を知らず知らずのうちに養うことができます。理論価格という参考値はもちろん存在しますが、結局のところは、人々のひとりひとりの判断が相場を構築しておりますので、そういった感触を肌感覚で身につけることができるのは強みになるのではないでしょうか。
職種証券外務員は未経験でもなれる?転職できる?
証券外務員は未経験でも転職ができますが、他業界からの転職が多い職種ではないのではないでしょうか。そうとはいえ、全く実例がないわけではなく、やる気や熱意があれば十分に実現することができると思います。
証券外務員転職に必要な資格
証券外務員になるためには、上述のとおり、一種外務員資格と二種外務員資格を取得する必要があります。ただし、転職する前に取得しておかなければならないような資格ではなく、転職後に取得することでも問題はなかろうと思われます。一般的には、就職または転職後の研修期間において、当該資格を取得するための勉強時間が設けられ、そのタイミングで資格取得に向けた勉強をすることでも十分かもしれません。
証券外務員が向いている人
証券外務員は万人に向いている職種ではないと思います。金融知識や証券知識はもちろんですが、より重要となる能力は、何が何でも目標を達成する力であったり、人とコミュニケーションする能力であったり、何があってもへこたれない体力気力ですので、このような能力を1つでも備えていることができていれば、証券外務員に向いている、と言えるのではないでしょうか。
証券外務員への転職の総括
いかがでしたでしょうか。証券外務員に転職するためには証券外務員資格に合格する必要があること、証券業務を行ううえでは証券外務員になる必要があること、また、資格の取得は証券外務員になるための条件の1要素に過ぎず、証券外務員として活躍するためには、その他の能力がより重要となることをお伝えしてきました。証券外務員の資格を取得することで、少なからず見えてくる部分もありますし、それほど身構えて受験する資格でもありませんので、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
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