未経験者でもペットトリマーに転職は可能?︎業務内容や資格試験について詳しく解説します。

未経験者でもペットトリマーに転職は可能?︎業務内容や資格試験について詳しく解説します。

ホームセンターなどにあるトリミングコーナーで、ガラス越しにペットたちがスッキリ、さっぱり、可愛らしくヘアを整えてもらっているのを見かけたことにある人は多いのではないでしょうか?とても楽しそうで夢のあるお仕事ですよね。そこでここではトリマーのに転職したい、やってみたいという人のために、トリマーのお仕事について紹介します。

トリマーとは?

ペットショップや動物病院、トリミングサロンなどで、主に犬や猫などペットのトリミング(毛を整えること)を行う職業です。

基本的なトリマーの仕事内容

それでは実際に、トリマーの仕事の流れを見ていきましょう。

動物の毛を整え、どのようなスタイルにするか飼い主さんと話し合いながら決めていく

人間と同じように、ペットも定期的に毛を整えることで、見た目も美しく、清潔さを保てます。そこで、お客さんであるペットの飼い主とどんなスタイルにするのかを話し合ったうえでトリミングに入ります。というのも、同じ犬でも、種類によって似合うスタイルが違ってくるからです。

たとえば、柴犬なら全身の毛を短めに刈り込んだ清潔感に満ちたスタイルに。プードルならクマのぬいぐるみのようなテディベアカットと呼ばれる愛らしいスタイルに。ヨークシャーテリアなら長い毛をつややかにブラッシングしたエレガントなスタイルにと、それぞれの毛質や体のサイズに応じて、カットの方法を決めていきます。

飼い主よっては、ペットのトリミングスタイルに強いこだわりを持っている人もいます。

「家の中で飼っているのでとにかく毛が飛び散らないように短くしたい」
「毛並みを美しく整えてドッグショーに出したい!」

とケースによって多様なニーズがあります。動物の特徴はもちろんのこと、飼い主の好みや理想を把握したうえで、ふさわしいスタイルを見つけ出すセンスが求められます。さらに、そのスタイルを作り上げるには、確かな経験と技術が求められます。

トリミングと仕上げ

スタイルが決まったら、作業を始めます。まず、全身シャンプーをして汚れを落とし、ドライヤーで乾かして丁寧にブラッシングをします。大型犬だとこの作業だけでも一苦労です。ブラッシングができたら、いよいよカットに入ります。こうした作業のことをトリミングと呼びます。ときにはカラーをしたり飾りをつけたりすることで、ペットをきれいに魅力的に仕上げ、スタイルを整えて完成です。

最近ではオプションメニューで人間並みのケアをすることも

もはや家族同然の存在とも言えるペットたち。ペット専用のマッサージやネイル、セラピーといった癒しのメニューを取り入れている所も。

健康面のケア

トリマーにはペットのヘアスタイルを整えること以外にも大切な役割を担っています。

それは、ペットの健康面をチェックすること。

トリマーは、ペットの爪を切ったり耳そうじをしたり肛門腺をケアしたりしながら、直接ペットに触れるため、言葉を話せないペットの健康上の異変に気付く機会があるからです。すぐ飼い主に伝えることで、ペットを大きな病気から守れることもあるかもしれません。

そのため、トリミングの技術だけでなく、病気や栄養、飼育方法など、動物に関する幅広い知識を身に付けておくこともトリマーにとっては大切です。このように、動物の美容と健康を総合的にケアするのが、トリマーの大事な役割と言えます。

 

トリマーの資格の他に持っておいた方が良い資格

トリマーは幅広い業務を行う仕事のため、取得しておくと役立つスキルがたくさんあります。ここでは2つほど紹介します。どちらも動物についてのさまざまな専門知識が身につくため、ペットと向き合ううえでぜひ取得することをおすすめします。

愛玩動物飼養管理士

日本愛玩動物協会が発行している資格。

動物関係法令や動物愛護運動史、保健衛生、公害問題、動物の疾病予防、管理士の社会活動、各種動物の飼養管理、犬猫のしつけ等の知識を体系的に習得・普及する指導員を養成する目的で、設置されました。

この資格を取得した人たちはペットショップや動物病院勤務、ペットシッター、動物担当の公務員の職に従事している人も。 また、この資格は、動物取扱責任者の資格要件のひとつとして、国や自治体から認められています。

動物看護士

動物看護師一般認定機構が発行している資格。動物看護職の知識・技術の全体的なレベルアップ推進のため、発行されました。獣医師の診察や治療の補助を行います。

また、上記の資格のほかにもトリマーには飼い主と接するときのマナーやコミュニケーション能力や、手先の器用さや体力も求められます。

カットの技術だけでなく、動物やその飼い主ときちんと向き合い、信頼されるトリマーを目指すためにも、自分にとって必要な勉強はしておくことに越したことはありません。

 

トリマーが向いている人

ペットトリマーが向いている人には次のような人が該当するでしょう。

人一倍動物が好きな人

相手は生き物。たとえ言葉を話さなくても、人間の気持ちが伝わります。こちらが深い愛情を注ぐことではじめて動物たちも心を許してリラックスし、満足のいくトリミングをすることができるようになります。

常に向上心を持っている人

最低限必要な知識としてペットの扱い方や、シャンプー、カットの技術、動物医療に関する知識が求められるほか、最近では、ペットのためのマッサージやセラピーなども需要があるため、常に時代の流れを読んで知識と技術に磨きをかけておくことが必要です。

 

トリマーは未経験でもなれる?

やはり命を扱う仕事なので、動物に対する知識や技術を身につけることが必要です。また、トリマーの世界は経験がすべてのため、未経験者はほとんど相手にされません。正社員登用は専門学校を卒業していることが第1条件という会社も。そのため、他業種からの転職は無謀と言えるかもしれません。

転職を成功させるにはまず然るべき機関で確かな知識と技術を修得するのがおすすめです。

トリマー養成専門学校に通う・コースを取得する

トリマー養成のための専門学校の夜間制コースに通う、通信講座で学ぶことで資格を取得できます。

ペットショップでアルバイトする

掃除や接客などの手伝いから始めて、少しずつ動物の世話の方法を任され学んでいくことで、正社員として採用されることもありかもしれません。

犬を飼った経験がある

採用の際、大きなアピールポイントになります。

なぜなら、餌やりや排便などの世話のコツや、言うことを聞かない犬へのアプローチの仕方など、実際に飼うことで身につくからです。トリマーを目指す段階で犬を飼い始める人もいると言います。つまり、動物と寝食を共にすることで多くの学びを得られ、仕事に生かせるといえるでしょう。

トリマーに必要な資格

トリマーには国家資格はなく、民間の団体が発行しているトリマーの資格があります。取得することで、就職活動の際に実力をアピールできるようになり、努力と熱意が伝わります。ここではトリマーの資格を発行している団体を3つ紹介します。

NPO法人日本動物衛生看護師協会認定「ドッグ・グルーミング・スペシャリスト」「キャット・グルーミングスペシャリスト」

犬や猫の美容に関する学校を卒業しているか、それ同等の知識や技術を持っていること、同協会の講習会を受講し、実技試験に合格していること、20歳以上であることなどが受験資格になっています。試験種類は筆記、実技、面接。

社団法人ジャパンケネルクラブ認定「JKC(ジャパンケネルクラブ)認定トリマー」

同クラブ公認トリマー養成機関(指定機関、研修機関)で所定の研修を終了していることが受験資格の条件となります。初級レベルの資格取得については、独学での受験も可能。満18歳以上であること。試験種類は筆記と実技。

一般財団法人日本能力開発推進協会認定「トリマー ペットスタイリスト」

同協会指定の認定教育機関などが行う教育訓練の、全カリキュラムを修了した人が受験可能。随時在宅にて受験できるそうです。

このほかにもさまざまな資格があり、主催する団体によって試験内容や資格の名称は異なってきます。

しかし、どれもトリミング技術を証明する民間資格になります。また、一つの資格の中にも初級〜上級とランク分けされているものがあります。

トリマーの養成人間の美容室のようにカラーリングやリラクゼーションを施すサロンも増えています。飼い主からのさまざまな要望に対応するため、今後仕事の幅はどんどん広がっていくことでしょう。そういった時代の流れについていく関心を持ち、知識や技術を磨くことで、トリマーの仕事がより充実したものになることでしょう。

学校では、資格の取得を目標としたカリキュラムが組まれているところもありますが、どういった資格取得を目指す学校なのか、就職の際、その資格がどの程度の評価を得られるものなのか、事前にチェックしておくことが大切です。

 

トリマーとして働く上で覚悟すること

ペットトリマーとして手に職をつけて働いていくなら、次の覚悟は決めた上で転職活動をしましょう。

ペットに噛まれることがある

トリミングに慣れていない犬などの場合、噛まれてしまうことも。

しかし、犬も決して噛みたくて噛んでいるのではなく、緊張から仕方なく噛んでしまうことを覚えておいてください。そこはがんばって耐えながらカットをすることで、ペットとの信頼関係を築いていきましょう。

汚い、臭い

当然のことですが、動物も生きているから排泄するし、体も汚れます。職場によっては汚れた犬舎の掃除、タオル等の洗濯、糞尿や吐瀉物の処理などすることも出てきます。

給与が少なく平日が休日になることも

この業界全体の傾向として、給与は低めになっています。また休日については、土日祝日も仕事があることが多く、特にペットショップは土日祝日出勤は基本となるため、お休みは平日になることが多くなります。連休などもカレンダー通りにお休みすることはできないので、土日休みの友達とは生活リズムが合わなくなることも。

とにかく神経を使いっぱなし

ペットによっては、トリミングの作業中に動いたり暴れたりすることも。万が一ハサミを持つ手がずれて、お客様の大切なペットにケガでもさせてしまっ手は大変です。こうした不測の事態にそなえて、ハサミを持っている間はずっと神経を研ぎ澄ませて作業をすることが求められます。

予約がいっぱいの忙しい日は、ほぼ一日中休みなく集中力を保っていなければなりません。そして、作業は時間との戦いでもあります。1頭のトリミングにかけられる時間は、大体1~2時間ほど。この限られた時間内で、丁寧に、確実に作業を進めていかなければなりません。

 

いろいろ大変かもしれないけれど、動物と触れあえる魅力的な仕事!

動物を綺麗にしてあげるお仕事はとても楽しそうですが、生き物相手の仕事であることや、休日が平日になるなど、厳しいこともいろいろとありそうですね。

でも、トリミングがうまくできたときの充実感や達成感は、この仕事ならではの醍醐味ではないでしょうか?また、その場でお客様である飼い主たちが満足してくれる様子を見られることもかけがえのない喜びになることでしょう。ぜひあなたのトリマーになる夢が形になるよう、今日からできることを始めてみましょう!

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