「あなたが会社を辞めたい理由は?本当に今の仕事を辞めるべき理由と辞めやすい理由」
- カテゴリ名:役立ちコラム
企業組織の新陳代謝、栄枯盛衰が早くなり、確実に企業が個人や家族の面倒を一生守ってくれる時代ではないこの世の中。
数年で時価総額が数兆円になる会社もあれば、企業間もなく潰れてしまう会社もあります。
いったい我々は、今後のキャリアや生き方を、どのように考えていけばよいのでしょうか?
今回は、会社を辞めたい理由や、本当に今の仕事を辞めるべきか、辞める場合に言いやすい理由について考えてみました。
会社を辞めたいと思う6つの不満
まずは、よくある会社を辞めたい思う理由や、タイミングについて考えてみましょう。
総合人材サービス会社のパーソルキャリア株式会社(旧インテリジェンス)のdodaが行った調査では、2016年4月~9月に転職活動を行った約3万人の転職理由トップ3は、2012年上半期(2012年4〜9月)から8回連続で「ほかにやりたい仕事がある」(13.0%)が1位。2位が「会社の将来性が不安」(9.3%)、3位が「給与に不満がある」(7.7%)という結果でした。
仕事の満足度は、大きく分けると「やりがい面」と「条件面」にわかれます。この2つをどう天秤にかけるか、日々悩みながら意思決定をしていることでしょう。
上司・同僚・後輩との仲(やりがい)
大企業でも中小企業でも、日々の仕事は同じ部署内の5~10名と行っている方がほとんどかと思います。自分の仕事をやりやすくするためにも、同部署の上司・同僚・後輩との仲は非常に大切です。
キャリアアドバイザーとして転職希望のキャリアコンサルティングをしていて最も多いのは、「上司と合わない」「上司が尊敬できない」という理由です。上司の仕事のやり方やスタンス、マネジメント方針、人間性などからそういった理由は生まれます。
どこを向いて仕事をしているかは非常に部下はよく見ていますよね。
会社か、顧客か、ということです。
社風や社内の雰囲気(やりがい)
上記したものと少し似ていますが、会社そのものの雰囲気や社風が合うかどうかも、転職に大きくかかわってくることと思います。
以下のような不満が多いと、転職を考えることも増えてくるのではありませんか?
- 社風が古い(上が詰まっていて融通が利かない、トップダウン、柔軟性がなく硬直している、早く帰りにくい、悪い意味での体育会系である、等)
- 評価に納得感が無い(残業が美徳、成果でなく気に入られるか、男尊女卑、等)
- 活気が無い(例えば中小企業や斜陽産業で、将来性が不安であるような場合、等)
- スピード感(早い場合も、遅い場合もあります)
仕事内容(やりがい)
仕事内容への不満は、向上心や成長意欲からくる場合が多く、転職理由として企業にとってはポジティブな内容になることが多いです。先ほど例に出したパーソルキャリア株式会社(旧インテリジェンス)が約3万人に対して行った調査によると、転職理由の第一位が「他にやりたいことがある」です。そこからくる悩みには、下記のような悩みが多いのではないでしょうか?
- もっと頭を使いたい、もっと難しいことをしたい
- 関係構築や調整業務のみであり、スキルがついていると感じない
- より社会貢献性が高い仕事に就きたい
- メーカー側(一つのものを売る)から、商社側(流通側)に行きたい ※逆もあります
- 有り物の有形営業から、形の無い無形営業に行きたい ※逆もあります
人事評価(やりがい)
人事評価とは、「組織を構成する個々人の特定期間の仕事の成果やプロセスを、一定の基準により評価、判断すること。」と、リクルートグループのヒト組織コンサルティング会社のリクルートマネジメントソリューションズは定義しています。
自身が行っていることが、どう周りに評価されるのか。人事評価は社員が前向きに働くために、非常に大切なようです。
それゆえ企業も適切な内容の作成に苦慮しています。
よくある人事評価に関する退職理由は、以下の通りです。
- 成果を出しても給与に反映されない
- 男女不平等な評価である
- 結局気に入られた人が評価される
- 昇格基準が曖昧
業務時間(条件)
時間外業務(サービス残業等)は問題視されていましたが、某大手広告会社社員の過労死をきっかけに日本企業の労働時間マネジメントに関する危機感はかなり醸成されている状況です。
厚生労働省の「長時間労働削減に向けた取組」では、長時間労働削減推進本部を中心に、働き方の見直しに向けた企業への働きかけや、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の徹底等を行っています。
とはいえ、まだまだその動きについて行けていない会社が多々あるのも事実。
時間そのものを削減したい希望の方と、業務時間は多くて良いので対価(残業代)を払ってほしい、という方に分かれている現状です。
給与・待遇(条件)
パーソルキャリア株式会社(旧インテリジェンス)が行った調査の転職理由の第三位が「給与に不満がある」です。
昔と違って給与が右肩上がりになることが当然ではなく、場合によっては給与形態が変わって実質マイナスになる方もいる中で、転職で待遇アップを狙うことはもはや通常の方法のひとつとなっています。
よくある理由として、昇給が見込めない(少ない)ことや残業時間手当が払われないこと、会社の業績不振に起因する給与カットなどが挙げられます。
本当に今の仕事を辞めるべき理由
転職は問題解決の手段の一つです。転職は、すれば成功なわけではなく、転職自体が目的になってはいけません。
裏を返すと、現職での問題を現職内で解決できないかどうか検討しきってから、転職を考えると良いでしょう。
上司への相談など、できるだけ現職にいながら解決できる方法が無いかをまず考えてみましょう。
異動でも解決しないとき
異動することで問題が解決できないかどうか考えてみましょう。一旦異動が現実的かどうかは脇に置いておいて、今、自身が抱えている課題が解決できる部署があるのかどうかを考えてみると良いです。異動が圧倒的に非現実的な場合、または異動しても問題解決しなさそうな場合は、仕事を辞めるべきなのかもしれません。
業界全体の課題であるとき
今、抱えている課題が会社の問題ではなく、業界特性から来るものである場合もあります。
たとえば販売職において。土日祝日は休みたい、転勤を避けたい、などの理由がある場合は、業界自体を変える必要が出てきてしまいます。
体調に異変をきたしているとき
最後に、体調に影響を与えている場合です。
不調になった原因にもよりますが、休職という手も検討しつつ、復帰しても解決しない要因であれば、無理をせずに退職する道を選んでも良いのではないでしょうか。
会社を辞める場合には本当の理由を伝えるべき?
色々と検討した上でいよいよ転職を決意したならば、どこかのタイミングで現職には伝えねばなりません。その際には、本当の理由を伝えるべきでしょうか?
ケースバイケースではあるものの、やはり本当の理由を伝えたほうが良いです。
また、「退職”交渉”」とはありますが、本気で退職をしに行くときには「退職”報告”」と言うくらいの気持ちで臨むことをお勧めします。
交渉の余地を与えると上手く辞められないこともあります。
すんなり会社を辞めやすい理由とは
真剣に退職理由を考えても、あれこれ言ってその気持ちを変えようとしてくるのが上司。
そんな上司には、どのような言い方や理由なら引いてもらえるのでしょうか。
現職で解決不可能な理由を伝える
交渉事ですので、あまりストレートに伝えると上手くいきません。
なるべく「現職で解決できない理由」や「解消できない課題」を伝えると良いでしょう。
上司としては残ってほしいわけです。たとえば、
- 残業が多い→少ない部署へ異動させるから
- 給与が低い→給与を上げるから
- 組織が固い→組織のフォーメーション変えるから
というような感じで切り返してきます。
業界全体の課題や変わらない確信がある理由があれば良いですね。
理由は一つではなく、複数掛け合わせる
とはいえ、「現職で解決できない理由」なんてそんなにあるわけではありません。
そんな場合には、退職理由の掛け算をお勧めします。
上記の例ですと、
「残業が多く給与が低い。さらには、組織が固いことなどが退職理由です」と、伝えるだけでも上司としては解決困難なはずです。
退職交渉は、入社面接のように1回では終わりません。
最初から複数回かかること、揉めたら一回持ち帰ることを意識してください。
面接と違うのは、諦めなければ必ず退職は勝ち取れるということです。
辞めたいと思ったら転職も考える
転職すれば必ず幸せになれるわけではないですが、抱えている課題が現職内で解決できないのであれば、転職をすることも一つの方法です。
転職するかどうかは、転職活動をしてみないとわかりません。転職活動は労力がかかりますが、必ず自身のキャリアを考える上ではプラスになります。沢山の他社にお邪魔できますし、多様な価値観の人事と会って話すことができます。相対的に今の立場の希少性を感じて、転職活動をした結果、現職に残られる方もたくさんいます。
最終的に転職するかどうかはわかりませんが、転職活動をすることで、今のあなたの現在地を測ってみてはいかがでしょうか。
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