ワークライフバランスが何か分からない人必見!厚生労働省が進めている取り組みまとめ
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
「ワークライフバランス」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。
しかしそれが一体全体何を意味しているか? どのような取組がされているものか分からない人も多いのではないでしょうか?
そこで、ここでは厚生労働省が提言している「ワークライフバランス」とは何かをお伝えします。
目次
厚生労働省が掲げるワークライフバランスとは何か?
厚生労働省が掲げているワークライフバランスとは、一言でいえば「いい仕事をしよう。いい人生しよう。」というものです。
厚生労働省では、現在の日本の働き方として「労働時間が長短二極化」「仕事と育児・介護との両立が困難」「地域活動への参加が難しい」といった問題があると指摘しており、このような現状を改善する必要があると言っています。
そして、そういった問題が解決されることが「仕事と生活の調和」つまり「ワークライフバランス」と読み取ることができます。
具体的には、一人一人が生き生きと働くことができるとともに、家庭や地域生活も充実させられること。
さらに、その充実感が仕事に活かされるという循環が作られることを意味しています。
厚生労働省はワークライフバランスを広めるために何をしている?
厚生労働省は、具体的にワークライフバランスを推進させるためにどのような活動をしているのかというと、以下の2つを踏まえた具体的な取組を行っています。
・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章
・仕事と生活の調和推進のための行動指針
これは主に民間企業と連携して進められているもので、各企業の取組状況や成果を確認し、国民全体に広くPRすることで、ワークライフバランスをとろうという社会的な空気を作る取組が行われています。
以下では、そのための取組として、より具体的に行われているものを見ていきます。
大々的に進められる仕事と生活の調和推進プロジェクト
ワークライフバランスの推進について、厚生労働省が行っている取組は、大きく分けると以下の4種類です。
・時間労働の抑制
・年次有給休暇の取得促進
・特に配慮を必要とする労働者に対する休暇の普及等
・労働時間等の設定の改善
これらについて、厚生労働省では、労働者と使用者による自主的な取組を推進してもらうために、各種助成金を出したり、施策を打ち出したりしています。
具体的な施策としては、以下のものがあげられます。
・労働時間等の設定の改善
・労働時間等設定改善法
・労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)
・働き方、休み方改善コンサルタント
・特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度の普及事業
・情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン(在宅勤務ガイドライン)
・テレワーク普及促進関連事業
・仕事と生活の調和推進プロジェクト
これらは、主に労時間に関する改善策と仕事の仕方に関する改善策と普及活動に分けられて展開されています。
とくにテレワークは、転職サイトであるエン転職の調査によると、導入している企業は未だ少ないもののテレワークを利用したいと考えている労働者が調査対象社の半数以上にのぼるといった具合に、労働者側から求められている現状もあります。
どんな人や企業が関わっているの?
ワークライフバランスの推進についての取組の中でも、「仕事と生活の調和推進プロジェクト」では、民間企業と連携した活動が展開されており、前述したように、それぞれの企業が独自に取り組んでいるワークライフバランスの推進施策について、情報を共有し、その成果を検証、PRするといったことが行われています。
これに協力していた企業は以下の10社です。
・鹿島建設株式会社
・キヤノン株
・住友商事株式会社
・全日本空輸株式会社
・株式会社大和証券グループ本社
・株式会社髙島屋
・株式会社電通
・日産自動車株式会社
・株式会社日立製作所
・三井化学株式会社
日本でも有数の大手企業がこの取組に賛同し、協力していたことがわかりますね。
厚生労働省と企業が進めるワークライフバランスの取組とは
ワークライフバランスの推進にあたっては、2017年7月に厚生労働省がプレミアムフライデーに合わせ、20時に全館消灯としたような労働時間に関する積極的な取組の他、それぞれの企業も様々な取組を行っています。
これからは、厚生労働省と企業が実際にどのように連携して、ワークライフバランスの実践に取り組んでいるのか、紹介します。
休暇をもっと取れるように改革
たとえば鹿島建設株式会社では、建設業特有の自然環境や工期といったものの影響により社員が休日を取得しにくい状況があった中、「現場異動時休暇制度」という形で、休日を完全に取得できなかった社員に対して、現場を異動する際に休暇を取得する制度を実施しました。
この施策は、気分転換になるということで評価も良かったのですが、同僚や上司への配慮から全員が取得できるようにならなかったため、社長が先頭に立つことで、休暇を取得しやすい雰囲気作りに着手したといいます。
仕事と休暇のメリハリを明確にした働き方を推進
キヤノン株式会社では、ノー残業デーを設定するとともに、健康第一主義を掲げ「しっかり働き、ゆっくり休む」という風土作りをしてきました。1967年の時点で完全週休2日制を導入した後、長期の連休を個々人が設定できる「フリーバカンス」に加えて、育児・介護支援制度も様々なものを整備しています。
常に新たな技術開発が求められる製造業において、残業を減らすことは難しい課題である一方、キヤノン株式会社では、「時間内に効率的に働くワークスタイルの確立」を目指し、社員一人一人が、どうすれば残業をしないで済ませるようになるかを常に考えるよう意識づけています。
育児や介護を支える働き方を創造
日産自動車株式会社では、人それぞれの個性や価値観といった多様性いわゆるダイバーシティの理解を進めることを経営戦略として推進していることから、仕事と生活の調和に積極的な会社として知られています。
事業所内託児所や在宅勤務制度も早くから導入し、その評判も高いです。2008年からは育児や介護、結婚、配偶者の出産、不妊治療といったものに利用できる休暇制度「ファミリーサポート休暇」を導入することで、仕事と生活の調和をより強化しています。
ワークライフバランスの推進を厚労省は今後も拡大していく
厚労省によるワークライフバランスの推進は10年近く実施され続けているもので、昨今は働き方改革の推進を受け、より強く推進されています。
助成金の拡充はもちろん、厚生労働省も手本となるよう組織の働き方改革を進めており、それをPRし続けていることから、中小企業も含め、今後さらに強力に進められていくと見られています。
あなたの会社の場合はどうでしょうか。今一度自分の働く会社の環境を見直して、少しでもワークライフバランスを改善できるといいですね。
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