資格の有無の差は大きい!介護の仕事に役立つ資格情報
- カテゴリ名:業界・職種・企業研究
介護の仕事に携わる人材のニーズが高まっています。
介護サービスは、医療的なものから日常的な生活のお世話まで仕事の範囲が幅広いため、資格を持っていない人でも仕事があることは確かです。
しかし、有資格者と無資格者では、仕事の範囲や将来のキャリアなど様々な面で大きな差が出ているようです。
ここでは、介護の資格を取ることの意味と、介護業界で役立ついくつかの資格をご紹介します。
介護の仕事の資格は誰のため?
介護の仕事に就こうと思って介護業界の求人の検索をすると、未経験者歓迎、資格なしでもOKと書かれているものをよく見かけます。
介護職の仕事の経験がない人も、資格のない人も気軽に取り組める仕事内容と考えてしまうのは早計。
介護職の資格を取ることは、誰にメリットをもたらすかという点を確認していきましょう。
介護業務を受ける人たちのため
介護職の資格で学ぶことは、もちろん介護に必要な専門的な知識です。
幅広い仕事の中で、要介護の方たちと接していくことになります。
介護の知識がある人と、ない人の仕事は、接し方もサービスの質も変わってくるでしょう。
介護の仕事は、ただ優しくて思いやりがあるというだけではこなせないことがあります。
介護の知識がないことで、介護を受ける人に負担を掛けたり、不快な思いをさせたりということもあります。
資格を取ることというよりも、資格取得のためのその学びの中身が、接する要介護の方々に良い介護の提供につながるのです。
介護に携わる自分のため
介護の仕事に関わるとき、介護サービスを受ける人たちにとっては介護スタッフはみな同じです。
未経験、無資格ということでできること、できないことがあるのは法定上の問題。
無資格のままだと、程度の差はあっても、自分がやってはいけない仕事にジレンマを感じることが出てくるようです。
また資格学習によって基本的な介護の知識を身に付けていると、ひとつひとつの仕事を行う際の自信にもなります。
介護の仕事は自分の身体を動かすことも多いですが、資格学習の中では自分の身体の負担を減らすための内容も含まれています。何も知らないままで介護の仕事をするときとは大きな差が生まれるようです。
資格があることで、介護業界での転職での仕事選び、キャリアアップにも有利になるでしょう。
初心者が目指す資格:介護職員初任者研修
介護の仕事に就きたい人や未経験で介護の仕事に携わっている人の多くがトライしているのが介護職の基本を学べる「介護職員初任者研修」です。
この資格の制度や実施の指針は厚生労働省から出されているものです。
「介護職員初任者研修」の資格の内容や、介護の仕事にどのように役立っていくのかを詳しくみていきましょう。
介護職員初任者研修の目的
これまでは介護の仕事をする人のための介護資格が様々に存在していました。
この先も、介護職の仕事をする人が増えていくことが予想され、介護のキャリアパスを明確にして介護職従事者の定着を図るために生まれた資格が「介護職員初任者研修」です。
これから介護の仕事をしていく人が、訪問介護、介護施設などで最低限の介護の知識と技術を身に付け、それを仕事で実践していけることを目的とした資格です。
また、職場での指示を受けたり、仕事を連携していくなどの、基本の介護業務の流れも学んでいき、スムーズに仕事の遂行ができるようになることも目的とされています。
介護職員初任者研修の内容
「介護職員初任者研修」の資格取得のために学習する内容は以下の10科目となっています。
「介護職員初任者研修」の資格取得には通学、通信、演習、実習を含めて130時間の履修が必要です。
最後に別途の時間で、修了評価のための1時間程度の筆記試験があります。
研修の受講料、受講期間、通信でも可能かという点は機関によって異なっていますが、最短1か月~6か月での取得が可能です。
受講料については、一般教育訓練給付制度が活用できたり、介護の仕事の仲介業者や介護施設からの支援や補助が受けられることも多くなっています。
これらの10科目を満たすための内容も研修実施機関によって異なってきます。
9項目目のこころとからだのしくみと生活支援技術で75時間がとられているので、介護の仕事の実践で役に立つ内容が充実しています。
1.職務の理解(6時間)
2.介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)
3.介護の基本(6時間)
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携(9時間)
5.介護におけるコミュニケーション技術(6時間)
6.老化の理解(6時間)
7.認知症の理解(6時間)
8.障害の理解(3時間)
9.こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)
10.振り返り(4時間)
URL:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114686.pdf
介護の仕事でのキャリアアップに役立つ資格:介護職員実務者研修
「介護職員実務者研修」も「介護職員初任者研修」と同じく、介護職の経験や現時点で無資格の人でもチャレンジすることのできる資格です。
無資格者の場合は、全体で450時間の受講(以下の項目のすべて)が必要です。
取得の目安は6か月程度で、仕事をしながらでも受講しやすいように工夫されています。
「介護職員初任者研修」の資格を持っている人は、同一科目が免除された320時間、ホームヘルパー1級の資格を取得している人は、さらに重複する科目が免除され95時間、介護職員基礎研修の資格を持っている人は50時間となっています。
介護職員実務者研修の内容
「介護職員実務者研修」の資格取得のために学習する内容は以下のようになっています。
下記の科目のうち介護過程Ⅲ(45時間)と医療的ケア(50時間)は、スクーリングや演習が必要です。
他のものは通信でも可能で、各科目ごとにレポートを提出して単位を取っていくことになります。
1.人間の尊厳と自立(5時間)
2.社会の理解Ⅰ・Ⅱ(35時間)
3.介護の基本Ⅰ・Ⅱ(30時間)
4.コミュニケーション技術(20時間)
5.生活支援技術Ⅰ・Ⅱ(50時間)
6.介護過程Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(90時間)
7.発達と老化の理解Ⅰ・Ⅱ(30時間)
8.認知症の理解Ⅰ・Ⅱ(30時間)
9.障害の理解Ⅰ・Ⅱ(30時間)
10.こころとからだのしくみⅠ・Ⅱ(80時間)
11.医療的ケア(50時間)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/care/dl/care_16.pdf
介護職員実務者研修でキャリアアップ
「介護職員実務者研修」の資格を取得すると、実務経験が無くても、介護スタッフを取りまとめる「サービス提供責任者」としての仕事が可能になります。つまり、介護業界でマネジメント的な仕事に携わることもできるようになります。
介護の仕事の国家資格である介護福祉士を取得するには、3年以上の介護実務と「介護職員実務者研修」の資格を取得しておくことが必須の要件となっています。
介護職員初任者研修との違い
介護職員初任者研修
・資格取得と3年以上の介護実務経験で「サービス提供責任者」としての業務ができる
・介護福祉士の受験資格とは関わりがない
・介護の基礎的な知識と技術を学べる
介護職員実務者研修
・資格取得によって経験がなくても「サービス提供責任者」としての業務ができる
・資格取得に加えて、3年以上の実務経験を積むと介護福祉士の受験資格を満たせる
・医療の知識や制度、医療的ケアについて学ぶことができる(実践には別途認定が必要)
介護の仕事は資格を取って自信とキャリアにつなげよう
介護の仕事をするときは、資格があると介護を受ける人により良い介護サービスを提供することができます。
役立つ知識と技術を資格取得によって身に付けておけば、仕事をする自分自身の自信にもつながります。
キャリアアップや待遇の上でもメリットは大きく、資格取得の支援も充実してきています。
介護職未経験や無資格の人は資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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