未経験でも助産師へ転職できる?必要資格や経験・仕事内容を解説します
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
助産師とは?
助産師とは、女性のみに限定されている職業で、看護師資格を保有していないと助産師資格を取得することはできません。助産師の取得方法はいくつかありますが、まずは看護師資格を得るために看護系の学校を卒業し、さらに助産師養成学校で一年学んだのち、助産師国家試験を受けるための受験資格が与えられます。もしくは、一部の看護大学か専門学校のカリキュラムに助産師養成コースがある場合、その課程を修了すれば看護師と助産師の両方の受験資格を得られることもできます。助産師になるためには、とても長い道のりがあるのです。
助産師国家試験の難易度は
助産師国家試験の合格率は、ここ最近では95%以上と言われています。基本的に助産師の勉強をコツコツしっかり行っていれば落ちることはないようです。落とすための試験ではなく、一年間学んできたことの確認と位置付けられているのかもしれないですね。
試験を受験することのできる日は?
助産師国家試験は、年一回と定められており、時期は2月中旬頃です。試験は、午前午後を通して2時間20分に亘ります。試験科目は、基礎助産学、助産診断・技術学、地域母子保健、助産管理になります。
試験の内容は?
試験はマークシート方式で行われます。内容的には、授業で学んできた事と実習で学んできた事になりますので、復習をきちんとしていれば、試験に向けての特別な勉強は必要ないと言えるでしょう。しかし問題自体は簡単ですが、惑わせるような表現方法をとっている問題が出題されていますので、落ち着いてケアレスミスには気をつけましょう。
試験の費用
助産師国家試験の費用は、5,400円になります。
受験資格の条件は?
文部科学大臣の指定した学校において1年以上助産に関する学科を修めた者(修業する見込みの者を含む)です。
試験問題の傾向とは?
助産師国家試験の出題総数は計105題で、そのうち一般問題75題、状況設定問題30題となっており、130点満点中8割あたりが合格ボーダーラインと言われています。助産師資格は、看護師資格に比べて、分娩に関する知識を問う問題が多くなっています。また、女性の権利向上に関する世界情勢、法令などに関する設問も一定数出題される傾向があるようです。
合格に近づく最短最速の勉強方法
助産師国家試験のための特別な勉強法はなく、助産師学校で学んだことをしっかり覚えて正しく理解することが大切になってきます。曖昧な理解でいる状態が最も危険かもしれません。生命の誕生に関わる仕事をするわけですから、勉学においてもきちんと向き合う姿勢が今後の仕事にも反映されていくのではないでしょうか。
助産師資格の有効期限について
助産師資格は、1度取得してしまいさえすれば、半永久的に有効です。ただし、法令違反などを犯し、資格の取り消しがされた場合にはこの限りではありません。
助産師資格取得までにかかる費用
助産師になるために必要となる費用は、数百万円であり学校によって大きく異なります。一般的に私立学校は高く、国公立学校は比較的安いと言われています。また、地域によっても学費が全く異なりますので、費用を抑えたい場合は比較検討してみるのが良いでしょう。どうしても費用の工面が難しい場合などは、奨学金制度を利用できるか申請してみると良いでしょう。
助産師の仕事内容は
助産師の仕事は、赤ちゃんを取り上げるお産の介助だけではありません。主に、妊婦さんの健康管理を行うことになりますが、妊娠中の食事や運動の生活指導や分娩、出産後の褥婦の体調管理、母乳指導、乳児指導と多岐にわたっています。そのため、外来や病棟、オペ室、分娩室と役割がはっきり区分けされている病院も多いようです。女性は、妊娠してからは大きな体の変化が伴うため、身体共にさまざまな問題が生じ、マタニティブルーと言われる精神的不安定になることもあるため、安心して出産ができるように相談にのったり、保健指導を行うことも大切な仕事です。また、助産師は女性の性についてのスペシャリストであることから不妊相談にも応じているようです。また、産後には母乳におけるトラブルも起こりやすく乳腺炎を患う褥婦も少なくありません。その時も助産師がおっぱいマッサージと言われる手技で炎症を和げます。乳腺炎が悪化してしまうと切開手術が必要になってしまうこともありますので、不調を感じたら助産師に相談を仰ぐと良いでしょう。このようにさまざまなことに精通していなければいけない助産師は、大変やりがいのある職業と言えるではないでしょうか。
助産師の活躍の場
助産師が活躍している場所は大学病院、総合病院の産婦人科や診療所、助産院、地域の保健センターでの勤務、または個人での開業も認められています。その他、母乳相談所に在籍している助産師は、良質な母乳育児ができるよう特化して働いている場合もあるようです。母乳相談所は、基本的には病院や診療所とは異なる体制をとっており、自宅の一室を解放して行っていることも多いようです。また、受診費は保険適応外になるため、自治体の助成券などを使うと良いでしょう。
助産師の年収や待遇は
助産師の平均年収は450万~650万円、月収では25万~45万円と言われています。これだけ幅があるのは地域差や分娩件数、夜勤、勤続年数によります。助産師の市場は、看護師よりも在籍人数が少ない割に需要が高いため、給料が高い傾向にあります。手に職をつけるという意味では、資格を保有している限りはずっと働くことができ、高い収入を得ることができるので、安定的な職種とも言えるかもしれないですね。また、都市部などの分娩件数の多い総合病院は、福利厚生などの休みも取得しやすい環境にあり、安定した職場環境であることが多いようです。その他、パート助産師として自分に合った働き方を選択することもできます。この場合の時給は、1,200円~2,000円でやはり地域的な差も影響しているようです。夜勤業務は、17時~翌朝9時までが一般的とされており、一回当たり平均25,000円~40,000円の手当がつくと言われています。
助産師への転職で身につくスキル
助産師資格を取得することで、さまざまなスキルを身につけることができます。
幅広い知識
助産師は妊娠、分娩、産後の妊産婦や新生児について多岐に亘っています。そのため、上記にも書きました通り、妊娠中の食事や運動の生活指導や分娩、出産後の褥婦の体調管理、母乳指導、乳児指導が必要ですし、分娩時の流れや異常時が起こった場合の対応なども正確に伝えておく義務があります。命を扱う現場ですから、知識があり過ぎるといったことはないのです。向上心のある助産師の中には、医者と同じレベルの知識を持つ助産師もいるようです。
コミュニケーション能力
幅広い知識を妊婦さんや褥婦に伝えるためには、ミュニケーション能力も必要です。分かりやすく伝える言語力や語彙力、話している雰囲気や表情は相手の様子をみながら工夫をこらしコミュニケーションを取る必要があるでしょう。
人生経験によって培われたものがスキルとなる
人生経験によって培われる包容力やゆとり、知恵は、助産師にとってとても役立つスキルでしょう。妊産期から子育て期の悩みは人それぞれで、相談を受ける内容も異なります。その相談に適切に親身になって応えることができるには、ある程度人生経験を積まなければ難しい場面も出てきます。悩みを包み込む包容力やにじみ出るゆとりは、それだけで相手に安心感を与えることができます。
計画性を養う能力
助産師は大変忙しい職場のため、一日における仕事を計画的に進めることが重要になります。計画を立てていても出産などの現場では、イレギュラー事象が発生するため、それにも対応できる臨機応変に動く能力も問われます。自然と物事に優先順位をつける能力が養われていくでしょう。
優しさ、思いやりも能力の一部
助産師に最も大切な精神は、優しさと思いやりです。相手を思いやる気持ちは内面から滲み出るものですので、自然と表情にも現れるでしょう。その表情で救われる妊婦さんや褥婦は少なくありません。
助産師は未経験でもなれる?転職できる?
助産師は未経験者(女性のみ)でも転職できる職業です。ただし、看護師資格を持っていることが前提となりますので、看護学校や専門学校で4年程学ぶ必要があります。未経験・資格なしですと転職まで長い道のりではありますが、目標を立てて、根気よく取り組めば助産師資格を取得できるでしょう。思い立ったが吉日ですよ。
助産師が向いている人
助産師は、万人に向いている職種ではないと思います。やはり命の誕生を扱う現場になりますので、正確性が問われ間違いは許されませんので、その心構えができていないと厳しいでしょう。感動的な場面だけでなく、悲しい現実を目の当たりにすることもあるでしょう。多忙な業務をこなすタフさと強い精神力、そして溢れる優しさと思いやりのある人が向いていると言えるでしょう。
助産師への転職の総括
いかがでしたでしょうか。助産師の市場は、需要があることがお分かりいただけましたでしょうか。近年少子化であることから、助産師の本来の役割である分娩の介助業務は減少し続けています。また、分娩数の減少に伴い産婦人科医を目指す医者も減っているのが実情です。助産師は、産婦人科医の補助的業務を行うことから、助産師外来の開設に貢献しています。産婦人科医が減少しても、助産師外来の普及は助産師資格をいかすと共に、助産師の地位向上にも繋がるのではないでしょうか。また、助産師が持つ豊富な性の正しい知識は、学校など社会でも必要とされています。学校においての性教育指導や保健指導者としても役割も担っているのです。
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