派遣社員と有給休暇との関係や申請時の注意事項。知識を備えて適切な申請を!
- カテゴリ名:今日からの転職活動
派遣先の社員たちが自由に有給休暇を取得している様子を見て、羨ましく思っていませんか?
「派遣だから有給休暇なんて取れない。」と諦めている人もいるでしょう。
実は、派遣社員にも有給休暇が認められています。
派遣社員が休暇を申請する際には、直接雇用の社員とは少し異なる点もありますよ。
派遣社員と有給休暇に関する知識をしっかり備えて適切な申請を心がけましょう。
ここでは、派遣社員と有給休暇との関係、申請時に気をつけたい点を紹介します。
派遣社員の有給休暇について
派遣社員と有給休暇との関係はどのようになっているのでしょうか。
「派遣は待遇が悪い。」などと言われることもありますから、有給休暇は取得できないのか気になりますね。
ここでは、派遣社員の有給休暇について概要を解説します。
派遣社員って有給休暇を取得できるの?
派遣社員は有給休暇を取得できないと思っている人がいますが、条件を満たせばしっかり取得できます。
有給休暇は労働基準法で認められた権利ですが、労働基準法はなにも正社員に関しての法律ではなく「労働者」のためのもの。
派遣社員は、派遣法以外に労働基準法なども適用されますから、有給休暇を取得する権利があるのです。
ただ、あくまでも有給休暇は申請を前提としています。
取得できないと勘違いして申請しないでいると、貴重な有給休暇を無駄にすることになりますよ。
労基法上の取得条件をおさらい
では、労働基準法の有給休暇の取得条件をおさらいします。
基本条件は下記の2つを満たすことで、フルタイム勤務の場合は最低10日の有給休暇が付与されます。
1.雇入れの日から起算して6ヶ月継続勤務をすること
2.その間の全労働日の8割以上出勤した場合
10日付与のあとは、1年6ヶ月継続勤務で11日、2年6ヶ月で12日、そのあと1年ごとに2日ずつ付与日数が増えていき、6年6ヶ月以上継続勤務すれば20日付与されます。
また、有給休暇の時効は2年ですから、1年分は翌年に繰り越しが可能で、多い人なら40日の有給休暇を使えることになります。
「継続勤務」の取り扱いはどうなる?
派遣の場合、気になるのは「継続勤務」の取り扱い。
派遣契約は数か月単位のケースも多いので、その都度継続勤務の年月がリセットされてしまうのか不安になりますよね。
派遣社員は、派遣会社との雇用契約関係にありますから、例え派遣先が変わっても、それをもって年月がリセットされるわけではありません。
同じ派遣会社から、継続的に、異なる派遣先を紹介されても期間は継続されます。
ただし、契約と契約の間が1ヶ月以上にのぼると、「継続勤務」とみなされなくなりリセットされるため気をつけましょう。
半休や時間単位取得は可能?
家庭の用事で少しだけ仕事を抜けたいときなど、半休や時間単位で有給休暇を取りたいと感じることがありますよね。
半休については、半休付与を義務づけられているものでも、反対に禁じられているものでもありません。
つまり、会社次第。
派遣社員の場合は、派遣元に相談することが基本になります。
時間単位の取得については、労働者と事業主との間で労使協定を結ぶなどの要件があります。
派遣元で労使協定が結ばれていない場合は適用外になりますから、まずは派遣元の就業規則を確認するなどしましょう。
半休も時間単位取得も派遣元の規則次第ですが、一般的には1日取得以外は認めていない派遣会社が多いようです。
有給休暇の管理は派遣元がおこなうため、あまり自由に取ってもらうと管理が大変になるという事情もあるのでしょう。
派遣社員が有給休暇を申請する際の流れや注意点
派遣社員が有給休暇を取得するにはどうすればいいのでしょうか。
流れを把握し適切な取得につなげましょう。
ここでは、有給休暇申請時の流れと注意点を紹介します。
まずは取得ルールを派遣会社に聞いてみよう
派遣社員が有給休暇を取得したいと思ったら、真っ先に相談すべきは派遣会社です。
理由は、雇用関係にあるのは派遣会社で、有給休暇などの管理も派遣会社がおこなうからです。
そもそも有給休暇の対象になっているのか、有給休暇の残日数は何日なのかなどのほか、申請時にはどんなルールや流れが存在しているのかを聞いてみましょう。
具体的な日程調整は派遣先へ
具体的な日程調整は派遣先の上司に相談することが好ましいです。
派遣先は、派遣社員の有給休暇について「忙しいから別の日にしてほしい。」などと言うことはできません。
ただ、実際問題としては、派遣社員と派遣元との間のみで日程を決めて勝手に休まれると、派遣先が困ってしまいますよね。
法律云々の問題ではなく、社会人としての誠実な対応という意味で、派遣先の上司にもあらかじめ日程を伝えておくのがいいでしょう。
どうしてもその日でなければならない用事以外は、繁忙期も避けて申請するのがベストな選択と言えます。
派遣先の社員ではないと言え、同じ職場で気持ちよく働き続けるには、相手への配慮やマナーも必要です。
体調不良などで急な休みになったら?
就労日当日に、体調不良で休みたいと感じることがあります。
欠勤扱いだと無給になってしまうため、有休日にあてたいという希望はごく自然なことですよね。
この場合の取り扱いについても、派遣会社次第です。
急な休みは欠勤になってしまう派遣会社と、柔軟に対応してくれる派遣会社があります。
体調不良になってから不安に思うのではなく、事前にどんな取り扱いになっているのか派遣会社に聞いておくようにしましょう。
派遣契約満了前にまとめて取りたい場合
正社員としての就職が決まった、家事育児に専念したいなど、派遣契約満了時のタイミングで派遣をやめることがあります。
有給休暇の残日数があれば、契約満了前にまとめて休暇を取得したいと感じる人もいるでしょう。
これについては個人の考え方次第です。
法律的には、労働者が申請した有給休暇に対して、正当な理由なく派遣会社が拒むことはできません。
派遣会社に唯一認められている「時季変更権」についても、他の派遣社員の代替可能性や自社社員のフォローなどを含めて判断しますから、単純に権利を主張できるわけではありません。
まとめて取れるかどうかで言えば「取れる」ことになります。
ただ、実際問題として、派遣会社の営業から「困るからやめてほしい。」「常識的に考えて無理。」と言われることはあります。
絶対に取得したいなら、拒まれても取得し、賃金の支払いがなければ労基署などに相談する方法もあります。
自分がどうしたいのかをベースに判断していきましょう。
派遣会社に複数登録している人は要注意
派遣社員として働く場合、複数の派遣会社に登録し、いい求人紹介を受けた派遣会社を優先的に利用することがあります。
派遣会社によって紹介できる案件が異なるため、これ自体は問題ないのですが、有給休暇に関しては注意が必要です。
それは、有給休暇の取得条件である「継続勤務」の期間が、派遣会社が変わることによってリセットされてしまうからです。
例えば、A派遣会社から紹介を受けた企業に3ヶ月勤務し、続けてB派遣会社から紹介を受けた企業に3ヶ月勤務した場合。
契約と契約の間にブランクがなくても、それぞれ3ヶ月の継続期間になってしまいます。
「継続」なので、A派遣会社→B派遣会社→A派遣会社という流れで紹介を受けても、A派遣会社での期間は最後の期間のみでカウントされます。
最初のうちは複数の派遣会社を利用し、慣れてきたら利用する派遣会社を絞る方が、有給休暇におけるメリットがありますね。
派遣社員も有給休暇は取れる!知識を備えて適切な申請を
派遣社員でも、条件を満たせば有給休暇の取得は可能です。
派遣だからと諦めていた方は、さっそく派遣会社に相談してみてもいいですね。
派遣社員が有給休暇を申請するときは、直接雇用のケースとは異なる点も多くありますから、しっかり知識を備えておきましょう。
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