出向と派遣の違いとは?特徴をポイントごとに解説!
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
出向と派遣の違いについて、いまひとつ良くわからない方は多いのではないでしょうか。
この記事では、出向と派遣についてまとめてみました。
・出向と派遣派遣と出向の違いとは?
・出向と派遣派遣と出向とと請負の違いとは?
・出向や派遣派遣や出向以外にもある委託とは?
・出向と派遣で違法になるものとは?
・出向で派遣される出向先について
気になる部分は下の目次から、各見出しに飛んでもらえればすぐ読めます!
目次
出向と派遣の違いとは?
出向と派遣の一番の違いは、労働契約先の違いがあげれます。
出向の場合は、出向先と労働契約を結び、出向先の指示に従って働きます。
また派遣の場合は、派遣元になる派遣会社と労働契約を結び、派遣先の企業の指示に従って働きます。
出向も派遣も、仕事の指示を受けるのは働く企業先というのは一緒ですが、労働契約を結んでいる契約先の違います。
出向の意味について
ここでは出向の意味ついてまとめました。
出向には「在籍出向」と「転籍出向」の2種類があります。
在籍出向とは、社員として在籍したまま他社に勤務する人事異動で、今いる会社と合わせてと出向先とも労働契約を結びます。
転籍出向とは、今いる会社を退職して、出向先だけと労働契約を結ぶか、今いる会社と出向先の間で労働契約を譲渡して出向先の社員として働くようにすることを言います。
何れにしても事前に、社員の同意は必ず必要になります。
また、派遣と在籍出向との違いについて、厚労省の資料もありますので参考にしてみてください。
参考厚生労働省:派遣と在籍出向との違いについて
派遣の意味について
次に派遣とは、通常正社員やアルバイトとして働くとき、労働者である自分と会社の二者間で雇用契約を取り交わします。
派遣は契約の時点で三者が存在し、派遣元である派遣会社、実際に働く派遣先、労働者。
労働者にとってみると、派遣元も派遣先も大きく関わる存在で、この点が通常の労働契約とは大きく異なります。
労働者が雇用契約を結ぶ相手は、派遣元である派遣会社です。
契約締結時には、派遣条件の提示や待遇の説明などが派遣会社からおこなわれ、労働者が同意することで契約が結ばれます。
給料を支払ってくれるのも派遣会社、有給休暇などの管理も派遣会社がすることに。
派遣会社は労働者と派遣先の間を取り持つコーディネーター的な役割を担うため、派遣先の紹介などもおこなってくれます。
出向と派遣と請負の違いとは?
出向と派遣の違いについては、上述したように労働契約の違いを挙げました。
ここでは「請負」との違いについてもまとめてました。
請負とは、請負業者と注文主とが請負契約を結び、注文主から依頼された業務を請負業者自体が雇用する労働者に指示を出して仕事を完結することです。
出向や派遣との大きな違いは、
請負業者に仕事の完了まで責任があり、注文主に指揮命令権が無いということが挙げられます。
最近では派遣元からの依頼を請負って、派遣会社の社員が派遣会社の社員が業務に関する指示を出すすような、派遣会社が請負をしているケースも増えてきました。
出向や派遣以外にもある委託とは?
ここでややこしくなるのが、請負と業務委託の違いとはなんだろうと疑問が出てきます。
請負と業務委託との違いについては、企業が自社では対応しきれない業務を外部と契約して仕事を依頼するという目的自体は同じです。
ただし、請負契約は目的とする業務を完結させるための契約になり、委託契約は業務の一つを任せれるか、完結するような業務ではなく、期間を決めて仕事をする契約になります。
出向と派遣で違法になるものとは?
出向のとりわけ在籍出向の場合、違法派遣になる可能性もあるので注意が必要です。
出向するにあたり、労働者供給事業(職業安定法第44条違反)という違法なケースがあります。これは、自社で管理する社員なのどの労働者を、他人の指揮命令で働かせることを意味し、昔あった強制労働などがこれにあたります。
また、派遣にも「二重派遣」といった違法行為があり、二重派遣とは、派遣社員を雇った企業が別の企業に請負契約などを偽装して別の企業で働かせることを言います。
また間に2社以上入る「多重派遣」などの違法派遣もあります。
出向で派遣される出向先のメリットとは?
出向をするということは、当然ながら出向先の企業にメリットがあるから労働契約を結ぶわけですが、メリットとしては、
・出向してくる社員のスキルが高ければ業務成績も上がり、職場の雰囲気も良くなる
・出向先が子会社の場合は、出向社員を受け入れることで本社とより深い関係が持てる
といったことが挙げられます。
同時に、出向元にとっても
・若手社員のスキルアップ人件費の削減
・人件費の削減
のメリットがあり、出向した社員もさまざまな経験を積むことができます。
出向で派遣される出向先のデメリットとは?
また出向先のデメリットとしては、
・人件費が上がる
・出向社員の受け入れ準備などで時間がかかる
・受け入れ社員によっては、社内の雰囲気が悪くなり、業績が逆に下がってしまう
などメリットとデメリットが表裏一体の部分があります。
また、出向元にとっても出向後も出向社員の管理が必要になりますし、出向社員の場合は、出向先までの勤務時間の増加や出向先の職場環境に合わないなどのリスクもあります。
出向と派遣の給与の違いとは?
出向と派遣では給与の支払いに関しても違いがあります。
派遣の場合の給与は、派遣先の企業ではなく派遣元である派遣会社から支払われます。
出向の場合は、出向先から給与が支払われます。
流れとしては、
・出向元が出向先に給与を支払う→出向元の給与として出向者が受け取る
になります。
ただし転籍出向は、出向先との直接雇用契約になるので、出向先から給与が支払われます。
なので給与が出向前と変わる場合もあります。
出向と派遣での労災保険の違いとは?
出向と派遣では労働契約が違うので、労災保険の違いについても知っておきたいですね。
仕事中に事故などで怪我をしてしまった場合、労災保険を通して保険給付を受け取ることができます。
出向社員の労災保険については、出向先と労働契約を結ぶため、仕事中に事故などにあった場合は出向先の労災保険が適用されます。
派遣社員の場合は、派遣元である派遣会社と労働契約を結んでいるので、、派遣会社の労災保険が適用されます。
出向と派遣での消費税の違いとは?
出向と派遣では、消費税に関して違いはあるのでしょうか?
出向は出向先との労働契約があるので、出向先が支払うお金は給与となるので、仕入税額控除の対象にはなりません。
一方派遣の場合は、派遣労働者は派遣会社と労働契約を結んでいて、派遣先企業との間に雇用関係はありません。
なので、派遣の目的で支払うお金が給与と認められないため、仕入税額控除の対象になります。
公務員の出向や派遣とは?
実は公務員でも出向はあります。
国家公務員や地方公務員にかかわらず、対象となるようです。
他の省庁や県や市町村・民間企業にも出向があります。
出向の目的は、一般企業と同じく、様々な経験をすることでスキルアップを目指すことと、出向先との情報交換が関係を築くことがあるようです。
給料に関しても同じく、出向先ではなく出向元である元の勤務先から支払われます。
出向と派遣の違いまとめ
ここまで出向と派遣の違いを中心に、請負や業務委託との違いも含めて比較してきましたが、正社員以外の雇用契約のなかにも様々な種類があります。
出向・派遣・請負・業務委託それぞれに共通していえることは、相手が誰にせよ労働契約を必ず結びます。
労働契約は、自分自身が人生の時間を費やして働くことに関しての大切な契約なんだということを感じ、派遣や出向をされている方は再確認してみるのも良いでしょう。
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