事務職への転職を有利にする資格を大紹介!業種ごとに役立つ資格とその勉強時間を徹底解説
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
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異業種から事務職へ、資格を利用して転職したい。
もともと事務職だが、資格を取得してより待遇の良い事務職へ転職したい。
こんな思いを抱く人は多いのではないでしょうか。ここでは、資格を活用して事務職への転職を有利にしたり、より待遇のよい事務職に転職するために役立つ資格について解説します。
目次
事務職とはどんな仕事? 事務職の種類や求められる人材について知ろう
事務職への転職に役立つ資格を知る前に、まずは事務職の仕事内容や求められる能力について確認しておきましょう。
事務職とはそもそもどんな仕事?
事務職の仕事は、担当する部門や個人のアシスタントになります。補助する部門や個人の業務が、円滑に進むようにサポートを行う仕事です。
「事務職」と一口に言っても、様々な種類が存在します。一例を挙げると、以下のような部類が存在します。これらの種類一つ一つについての詳細は、後ほど見ていきます。
- 医療事務
- データ入力
- CADオペレーター
- 貿易事務
- OAオペレーター
- 営業事務
- 経理や財務
また、業界により事務の職務内容に差が出てきたり、中小企業か大企業かによっても事情が異なってくるので、自分がやりたい・興味のある事務職を選んだ上で、その事務職に求められる資格を取得するのかしないかを判断すべきです。
前職の実務経験が強みになる場合や、むしろ実務経験の方が重視される場合もあるので、何を転職活動の武器にするか、資格を取得するなら役立つ資格は何かを明確にして転職活動に望みましょう。
事務職に求められる人材とは?
パソコンでの作業が多い職種もありますが、事務に求められているのは「人をサポートする気持ち」です。
対人が苦手でパソコンに向かって黙々と作業する仕事がしたくて、事務を志望する人もいるかと思われます。
しかし実際には、顧客に対する電話や直接の対応を求められる場合も多いので、他人と円滑にコミュニーケーションを取れる人が求められます。
同時に、「サポートを行う対象の仕事が円滑になるよう貢献する」という姿勢も必要です。
事務の求人は減少傾向だからこそ資格が活きる
事務職の人気は高いです。それに比較して、事務職の求人は減少が続いています。ここでは、事務職の求人の状況と、事務職への転職や転職後のキャリアを充実させるためのポイントを見ていきましょう。
特に一般事務の求人は今後も厳しい状況が続きそう
事務職の有効求人倍率は依然として0.42倍と、低い水準となっています。中でも一般事務の数値は0.32倍と、群を抜いて低い数値です。((厚生労働省 職業別一般職業紹介状況 平成29年度7月分(常用(含パート))」より
(参照:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11602000-Shokugyouanteikyoku-Koyouseisakuka/G35_65.pdf)
しかし、一般事務は仕事が少ない割に人気の高い職種のようです。
多くの企業がIT化の進行に伴って、一般事務を設備投資により経費削減したい部類として挙げています。役員や専門職が自身で事務仕事をこなすようになった風潮も合わせて、事務職の需要は年々減少傾向です。
そんな中でも事務職として転職しキャリアアップを図っていきたい方は、独自の価値や強みを持つことが求められているのです。
資格取得により周囲と差をつけよう
資格や専門知識のある事務職の人は、他の一般事務職と差をつけることが可能です。事務職への転職を志す人は、転職時や転職後も独自の価値を持ち続けることができるよう、努力を欠かさぬことが求められます。
「定時上がりで仕事が楽だから、一般事務にこだわりたい」という理由で一般事務を希望することは推奨されません。これからさらにIT化が進み、一般事務の求人は減る一方だと予想されます。
したがって定時上がりを志望するなら、一般事務以外の事務職で仕事の効率を上げるなど別のアプローチが求められるのです。
一般的にどの事務職でも有利になる資格
ここでは、事務職の分野のうち、多くの分野で武器になりやすいと言われる資格について見ていきましょう。
簿記3級
簿記3級の取得により、中小企業の経理事務に対応する能力があるとみなされます。会社の経理担当を希望するならば、取得を避けては通れない資格です。
経理や財務に限らず、会社に勤める上での基礎知識を習得している証にもなります。経理分野への転職時に強みとしてアピールするならば、2級以上を取得したいところです。
秘書検定
秘書検定は、基礎的な事務や接客業務が問題なくこなせるかという指標として活用される資格試験です。一般的に2級以上の取得者は、基礎的な接客・事務では問題がないとされます。
事務職として求められる事務や接客のスキルがあることのアピールとして、積極的に活用したいところです。学習の段階で、電話対応などのビジネスマナーを習得することもできます。
2級までなら、それほど難易度は高くないため、独学でもそれほど負担がなく取得できるとされ、負担は少ないのではないでしょうか。
また、準1級や1級までいくと、中小企業で秘書の職業の紹介が来るほどのレベルになりますので、将来的にキャリアアップを志す人はその足がかりとしても取得しておいて得をするでしょう。
フィナンシャルプランナー
お金に関する幅広い知見を証明する資格です。業務上これらの知識が役立つ金融業界や不動産業界では、即戦力として採用の可能性も高まります。
3級であれば、150時間~200時間の勉強時間で取得が可能とされており、それほど負担なく取得することが可能です。2級であれば、プラス300時間くらい見ておくと合格が現実的になるとされます。
MOS
マイクロソフトが認定する資格で、オフィスソフトを使いこなす能力を証明する試験です。試験は、ワード、エクセルやパワーポイントなどのオフィスソフトごとに設けられています。
ワード、エクセルは、簡単な順にそれぞれスペシャリスト、エキスパートの2つのレベルの試験があります。特におすすめなのは、ワードとエクセルのスペシャリストの資格です。これらにより、ワードとエクセルの基本的な機能を使える証明になります。
前職でワードやエクセルを使いこなしていた実務経験をアピールできれば取得するまでもないかもしれませんが、ワードやエクセルの基本操作に自信がない人は積極的に活用してみるといいでしょう。
ワードやエクセルのMOSスペシャリストの資格は、日常からワードやエクセルを使う人であれば市販の問題集による30時間程度の独学により合格できると言われています。
Excel表計算処理技能検定試験
ビジネスに活用度の高いエクセルスキルを活用できることの証明となる資格です。「サーティファイ」という機関によって実施されます。
MOSより知名度は劣りますが、技術力の判断の指標として、MOSよりも重視する企業も多く存在する信頼性のある資格試験です。
級が3つ存在し、3級は初歩レベル、2級はビジネスでの実践レベル、1級は表計算能力のうち高度な内容を問われます。一般的には2級までの取得でアピールになります。合格率は78%と高めです。
ウェブデザイン技能検定
ウェブ業界でただ一つの国家試験で、ウェブサイトのデザインを行う際の専門的な知識や技術をはかる資格になっています。ウェブ業界への転職では優遇されるでしょう。
級は1~3級まであり、一般的には3級までで十分とされます。2級以上は高度な内容となるためです。
合格率は3級が60%程度と高めとなっています。
ITパスポート
ITに対する正しい理解と効率的な活用をする能力を証明する資格です。業種や文系理系にかかわらずITスキルが要求される現代では、ITスキルを持つ人材が求められています。
求められるITの技術は年々高度になってきていることから、取得しておくと強みになることでしょう。合格率は40%~50%くらいです。一般的には市販のテキストと問題集で勉強が可能とされます。
TOEIC
グローバル化に伴い、事務職においても英語力が重視されてくるでしょう。海外とのやりとりがある企業や英語を使用する企業など、英語が必要とされる職場への転職を考えるなら積極的に活用したいところです。
何点以上が求められるかは企業により異なりますが、一般的に700点以上がビジネス英語を最低限理解できる指標と言われるので700点以上を目指したいところです。
事務職にはどんな種類があるの? 種類別に職種・求められる資格や能力を解説
ここでは、事務職の種類ごとに内容を紹介するとともに、職種ごとに求められる資格やスキルについても解説します。
データ入力
パソコンを使用してデータを打込むことが、データ入力の仕事です。
入力が求められるデータの種類やフォーマットは企業により異なります。WordやExcelを使用する場合や、その他のソフトでの入力となる場合など様々です。企業によってはファイリング、データのチェック、関数や数字の入力の業務がある場合もあります。
入力に当たっては、基本的なパソコンスキルが必須です。入力するソフトにもよりますが、WordやExcel、Power pointやAccessのスキルがあることが求められるでしょう。
業務に当たっては、文書を作成するに当たっての教養や一般常識も求められます。また、入力にミスがないよう正確に、迅速に業務をこなせることが望ましいです。
CADオペレーター
CADというのは、パソコンで設計図を書くためのソフトを指します。CADオペレーターとは、設計者の仕事を補助する業務になります。
CADオペレーターになるための資格は必要ありませんが、CADシステムを問題なく操作できることが条件となるため、特に未経験者が転職先として志す場合は、CADが問題なく操作できる証明として、資格を取得することが推奨されます。
CADも扱える事務職という扱いになるため、建設会社への事務職として転職を希望する場合は、大きな武器となる資格ですね。
CADに関わる資格は様々なものが存在しますが、初心者でも比較的取得しやすい試験に、CAD利用技術者試験があります。
一般的に取得してアピールになるのは2級以上と言われますが、2級の合格率は50%前後と、それほど難易度の高い試験ではありません。一般的には、毎日2時間の勉強を2ヶ月程度継続すれば取得が可能といわれています。
OAオペレーター
OAというのは、Office Automationの略で、ファックス・パソコン等を操作して書類の作成・検索や送付を行う事務処理を行う人を指します。この場合の書類作成には、Word・Excel、場合によってはAccess等のソフトを問題なく使いこなせることが求められます。
医療機関での事務
医療事務は、医療機関において必要な事務を行う職業です。医療機関は多数ありますが、それぞれの医療機関で医療事務の仕事に携わるための資格が存在します。様々な機関が実施する資格を、まとめて「医療事務」と呼びます。
取得に当たっては、自分が転職したい分野や機関に合わせた信頼度の高い資格を取得することが求められます。
たとえば、有名なものに、「診療報酬請求事務能力認定試験」があります。他の医療事務系の資格の合格率が50%~70%であるのに比べ、診療報酬請求事務能力認定試験の合格率は30%と、医療事務系の資格の中では難易度の高い試験です。
そのため、それなりに対策が求められますが、資格手当があるなど、優遇される場合も多くある魅力的な資格となっています。
営業事務
営業事務とは、営業部門にて営業担当者の業務補佐を行う事務職です。資料作成から請求書の作成、商品の管理・受発注や納期管理まで幅広くこなします。
資料や請求書の作成に伴い、やはりWordやExcel、 Power Pointの機能を使いこなせることが求められます。データベースによる顧客情報の管理を行う会社であれば、Accessスキルが必要な場合もあります。
対人での業務も多くなるので、クライアントにも失礼のないように対応するビジネスマナー、コミュニケーション能力が他の事務職よりも強く求められる分野です。事務処理を正確に効率よくこなすスキルも重宝されるでしょう。
経理・財務
経理・財務は、仕事内容が幅広く存在します。
財務は、金融情報の収集・分析、海外事業においての資金調達や管理、予算編成や資金調達に関わる業務など、会社の中枢に関わる重要な分野を担当する部門です。
経理は、細かい出入金を管理・記録し、決算票作成や伝票整理を行います。また、財務諸表の作成や賃借対照表の作成まで幅広い業務を担当する分野です。
転職の際に有利なのは、簿記2級以上が挙げられます。金融業界での知見があると業務が円滑に進みやすいために、フィナンシャルプランナーの資格を取得しておけば有利になり得ます。当然、基本的なパソコンスキルは必須です。
転職に当たっては、経理関係の実務経験があると優遇されます。また、会社の経営に大きく関わる数字を扱うことにもなるため、正確な事務処理が強く求められます。
不動産関係の事務
不動産関係の事務職では、宅地建物取引士の資格を取得しておくと有利とされます。宅地建物取引士とは、建物や土地を売買する際に必要な知識を証明する資格のことです。
不動産取引の業務を行う事業所には、5人に1人以上宅建の資格を有する人がいなくてはならないことが法律で定められています。
ですから、この数字に貢献する人材として、宅建資格を持つ人材は魅力を持つのです。求人に「宅建取得者歓迎」と書かれている場合には、優遇を受けるための武器にもなりますね。
貿易事務
貿易事務とは、商品の受発注、倉庫の手配、入力業務、打ち合わせ、輸送手続きなどの様々な貿易関連の事務職を指します。
貿易事務への転職に有利になる資格としては、貿易実務検定がおすすめです。
貿易実務検定の取得は、実務経験1年~3年分の知識を得ることに相当するとも言われています。貿易実務検定の内容が、実務の内容を踏まえた信頼性の高いものであるゆえです。
また、取得を目指して勉強することにより、貿易会社の具体的な業務が見えてくることもメリットです。それを理解することで、貿易会社の業務と自分のやりたいことのギャップを減らすことが可能となっています。
貿易実務検定には、低い方からC級~A級がありますが、B級まで取得しておくとアピール材料になると言われます。B級まではそれほど取得が難しくなく、勉強時間は人により異なりますが、250時間~300時間見積もっておけば合格している方が多いようです。
ただし、2週間~1ヶ月程度集中的に学習して合格する方もいるので、1日どれくらい学習できるかにより、学習期間も変わってくるのではないでしょうか。
専門知識を要求される事務職を目指す方は、取得して貿易事務の求人に応募を検討してもよいかもしれません。
可能ならば、A級まで取得しておくと、大きな強みになるでしょう。
やりたいこと、興味のあることをもとに、目標を決めて資格を取ろう
事務職への転職に有利、役立つ資格はたくさんありますが、自分が希望する事務職の種類や業界につい
て情報収集を行い、確実に有意義な資格を取得し役立てたいところです。
事務職の求人倍率は低い状況が続いているため、自分の価値を高め、生き残りをかけていくことが求められています。
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