マーケティングとは?どうやって学ぶの?資格や職業について徹底解剖!
- カテゴリ名:業界・職種・企業研究
きっと誰しもが一度は聞いたことがある「マーケティング」という言葉。
しかしながら「マーケティングとは何か」説明できる人は少ないのではないでしょうか。
今回はそんなマーケティングについて詳しく見ていきます。
目次
マーケティングとは?
マーケティングという言葉について、定義と理想の観点から見てみましょう。
マーケティングの定義
マーケティングとは端的に言うと、「モノやサービスを買ってもらうための仕組み」のことを指します。
市場調査やプロモーションはそのほんの一部に過ぎません。
日本マーケティング協会では、マーケティングを以下のように定義付けています。
『マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。』
(引用:https://www.jma2-jp.org/jma/aboutjma/jmaorganization)
要するに、ビジネスにおけるマーケティングとは「顧客が最も欲しいものを最も利用しやすい形で提供するための市場作り」なのです。
マーケティングのあるべき姿
ではマーケティングの理想とは何なのでしょうか。
数年前にヒットした「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でお馴染みのピーター・ドラッガー氏は次のように述べています。
「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」
つまり、何もしなくてもお客さんが自然と集まって、商品を買ってもらえる状態がマーケティングの理想なのです。
マーケティング業界とは?
マーケティング業界は、業種から見てみるとサービス業に分類されることが多いです。
職種からみて見ると、企画/管理系職種に分類されることが多いようです。
マーケティング業界についての理解を深めたい方はこちらを参考にしてください。
マーケティング業界とは?志望動機や就職・転職の仕方を徹底解説!
マーケティング戦略とは?4Pとは?
マーケティング戦略について
商品が勝手に売れればそれは理想的ですが、現実ではそれはほぼ不可能です。そのためビジネスの現場ではマーケティング戦略を立てるのです。
では、マーケティング戦略とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
マーケティング戦略とは、市場や顧客の現状・動向を分析した上で、どんなモノ・サービスをどうやってアプローチするかを決定・実行するための戦略を指します。
マーケティング手法について
具体的なマーケティング戦略の手法を見ていきましょう。
- 4P分析
- 3C分析
- SWOT分析
- SPT分析
…「製品(Product)/価格(Price)/販売場所・流通(Place)/プロモーション(Promotion)」の頭文字を取ったものです。
どんな商品を、どのような価格で、どこで、どのような方法で売るかを整合性を保ちつつ戦略を立てます。
4P分析についてまとめた記事がありますので、参照してください。
マーケティングの4Pとは?4Pの意味と活用方法
…「顧客(Customer)/競合(Competitor)/自社(Company)」の頭文字を取ったものです。
顧客のニーズ、自社の現状・評価や競合企業を知ることで、現状の市場状況を漏れなく分析することができます。
…「強み(Strengths)/弱み(Weaknesses)/機会(Opportunities)/脅威(Threats) 」の頭文字を取ったものです。
市場規模や競合の脅威といった外部環境や、自社の強みや弱みといった内部環境の分析を統合的に行うことで、自社のビジネスチャンスを発見することができます。
…「セグメンテーション(Segmentation)/ターゲティング(Targeting)/ポジショニング(Positioning)」の頭文字を取ったものです。
セグメンテーションは市場細分化と言い、市場全体をいくつかの似ているニーズの顧客層に分類することを指します。
ターゲティングとは細分化された市場のうちどの層をターゲットとしていくかを決定することを指します。
ポジショニングとは、決定したセグメントの中にある他社の競合製品・サービスとの自社の立ち位置を決めることを指します。
主要なものをいくつかあげましたが、マーケティング戦略には様々な手法が存在しています。ビジネスの種類によってそれぞれの手法の適不適を考慮したり、適宜組み合わせたりする必要があります。
マーケティングミックスとは?
マーケティングミックスとは、複数のマーケティング手法を組み合わせて扱うフレームワークのことです。特に先ほど挙げた4P分析を主として、これらの手段を別物として考えるのではなく、一つの全体として捉える考え方です。
例えば、スターバックスでは、単にコーヒーという商品を売るだけでなく、顧客がリラックスして過ごすことができる空間を提供することにビジネスの価値を定義して、「サード・プレイス」と呼んでいます。
つまり商品、場所などの枠組みを超えた価値を提供しているのです。
そのため数あるコーヒーショップの中でも、新たな価値を提供するスターバックスのコーヒー1杯が300円台と高くても、また広告宣伝をほとんどしなくても、口コミなどを通じて顧客が集まってくるのです。
マーケティングミックスについてさらに詳しく知りたい方へ。
マーケティングミックスとは?マーケティングミックスの意味と事例・活用方法とは?
マーケティングはどうやって学べるの?独学は可能?
マーケティングを学ぶとなると、大学の経営学部や経済学部をイメージするかと思いますが、実は大学で専攻していなくてもマーケティングは学べるのです。
独学でマーケティングを学ぶには
様々な企業・団体が一般向けにマーケティングセミナーを開講しています。実際にマーケティング職についている現役の人の話を聞ける講演会もあるため、自分の独学の方針が正しいのかも知ることができるでしょう。
オススメのマーケティング入門の本
マーケティングを学ぶ人に、ぜひ一度は読んでみて欲しい本をまとめました。
マーケティングの「マ」の字を学ぶなら
- 『お客さまには「うれしさ」を売りなさい 一生稼げる人になるマーケティング戦略入門 』佐藤 義典 (著)
- 『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』西野亮廣(著)
- 『マーケティングの基本』安原 智樹(著)
- 『コトラーのマーケティング思考法』フィリップ・コトラー(著)
ハーゲンダッツなど身近な商品がどうして売れているのかを、イラストを用いながらわかりやすく解説した超入門編。堅苦しい本が苦手だけど、マーケティングについて知りたいという人にオススメしたい一冊。
少し変わったマーケティング書が読みたい人は
漫才師のみならず絵本作家、イベンター、校長、村長、ついには上場企業の顧問にも就任されたキングコング西野氏が語る、ちょっと世間からハミ出す人のためのビジネスヒント集。普通のビジネス書と異なる、斬新な切り口で描かれており、どんな人でもとっつきやすい一冊になっています。
マーケティング入門編
マーケティング手法の解説だけでなく、「新製品開発」→「既存商品育成」という、マーケティング業務の進め方も俯瞰できる入門書。また、利用頻度の高い手法を中心に紹介するので、即効性の高いノウハウを得ることができます。
マーケティングの考え方を身につけるなら
マーケティング職の人のみならず、経営者層、エブゼクティブ層にとってもバイブル的存在である、マーケティング界の第一人者であるフィリップ・コトラー氏の著書。絶えず変化する世の中に合わせて更新されるマーケティング論をわかりやすく書かれています。
マーケティングの資格とは?取得方法について
マーケティング業務につくにあったって、必ず取らなくてはいけない資格は特にありませんが、スキルアップや目に見える結果が欲しい人のためオススメの資格をご紹介します。
アクセス解析に関する資格
初級ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析マスターの3段階に分かれています。Webマーケティングに必要なスキルが身に付き、解析データから事業の現状、課題を読み取り、事業の成果に結びつく正しい判断が出来るようになります。
5時間の講義+1.5時間の試験(計2日)という短時間で効率的に資格取得が可能であり、短期で資格を取りたいという方にオススメです。
Google アナリティクスの習熟度を認定する資格で、無料で受験が可能な上にweb上で試験が受けられます。アナリティクスアカデミーという無料の学習ツールもあるため、非常に取り組みやすい資格です。
統計に関する資格
統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。1~4級と、統計調査士、専門統計調査士に分かれています。
広告に関する資格
AdWordsの基礎知識や応用力を学ぶことができる資格です。AdWords基礎認定資格試験に加え、検索広告、ディスプレイ広告、モバイル広告、動画広告、ショッピング広告のいずれかの認定資格試験の 2 科目の試験に合格する必要があります。
資格に関しましては、こちらも参照してください。
マーケティングの資格とは?マーケティングにまつわる資格の種類と意味と取得方法
マーケティングをする仕事とは?マーケティングリサーチって?
マーケティングリサーチに関してはこちらを参照してください。
マーケティングリサーチとは?マーケティングリサーチの意味と調査方法の種類
マーケティングという分野で働きたいという人は大きく三つの道があります。
各企業のマーケティング職に就く
総合職一括採用で事業会社に入社した後、様々な部署を経て最終的にマーケティング部に配属されるという方法です。どの企業でもマーケティング部は人気部署であるため、入社後即配属とはなかなか行きません。しかし様々な部署で実践を積むことで、マーケティングの仕事の大きな糧となる知識や強みになります。
マーケティングを専門に請け負うマーケティングリサーチ企業
インテージやマクロミルのような、他企業のマーケティングをサポートするBtoB企業もあります。こちらは前者とは違って、業務自体がマーケティングに限定されているためどの部署に配属になっても基本的にはマーケティングの仕事に携わることができます。
広告業を専門とする広告代理店
電通や博報堂をはじめとする広告代理店も業務自体がマーケティングに携わっている企業です。
マーケティングオートメーションとは?
顧客の情報を一元的に管理し、主にデジタルチャネル(メール、SNS、ウェブサイトなど)におけるマーケティングを自動化、可視化するソフトウェアのことです。
わかりやすくいうと、顧客がどんな商品に興味があってどんな情報を欲しているかをweb上で情報収集することで営業効率を向上させる、一連の動作を自動化することです。
例えば、ZOZOTOWNで有名なスタートトゥデイ社は、カートに入れた商品と関連する商品情報をメール配信したり、一度カートに入れたが購入まで至らなかった商品を再度表示したりした、この制度がマーケティングオートメーションなのです。
マーケティング職に向いてる人とは?
マーケティングの仕事に携わる際は、経営学や経済学、統計学、マーケティング理論などの知識があればもちろん役に立ちますが、それ以前にどういう人が向いている仕事なのでしょうか。その特徴をいくつかご紹介します。
- 数字やデータに強い、抵抗がない
- 世の中の流行や出来事に強い関心や興味がある
- コミュニケーション能力がある
- 客観的、論理的思考
定量調査といったデータとは切っても切れない分野です。集めたデータは解析ツールや統計手法で分析するため、数字に苦手意識のない人が向いている職種です。
顧客のニーズをいかに把握するかが求められるため、単なるデータ分析だけでなく、流行を追うなど日頃の情報収集が大切です。テレビやインターネットといったさまざまなメディアを通して、最新情報を早く知ることが必要です。
どの部署にも最低限必要な能力ですが、特にマーケティング担当として働く際は、営業や宣伝、商品開発部など、さまざまな部門との連携が必要になります。業務を円滑に進めるためには、相手の意見に傾聴する姿や、相手がしっかり理解できるようにわかりやすく説明する力が大切です。
マーケティングという仕事で成果を出すためには、市場調査で得たデータを客観的・多面的な視点で捉え、仮説・検証を繰り返し行う必要があります。論理的な思考で意見をまとめ、消費者の立場に立った企画を進めることが大切です。
マーケティングについてまとめ
どんな企業にも必ず必要なマーケティング。独学で学ぶことができる上に、必須資格も特にないため比較的取り組みやすい分野なのではないでしょうか。少しでもマーケティングに興味を持ったなら、就職活動の際はマーケティング職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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