仕事と介護の両立支援!社員・企業・国のそれぞれの対策

仕事と介護の両立支援!社員・企業・国のそれぞれの対策

仕事と介護の両立支援!社員・企業・国のそれぞれの対策

日本でも労働人口の減少をできるだけ抑えるために日本で働く人たちのための働き方改革の動きが活発化しています。
それに準じて日本の企業は、要介護の家族を抱えた社員でも両立しやすく働きやすい仕事環境の提供に努めています。
介護や育児などの家庭環境と仕事の両立を図る施策を導入する企業は増えており、両立環境はますます充実してきています。
ここでは、仕事と介護を両立を支援する国や企業の施策の例や介護との両立支援を活用する個人の取り組み方について紹介していきます。

国が奨励する仕事と介護の両立支援

働き方改革の一環として、様々な労働に関する法定を打ち出している日本政府。
要介護の家族を抱える人たちも仕事を持ち、両立を支援するための政策も改定が進められています。
国の法定として定め仕事との両立を助ける「育児・介護休業法」、この制度を安心して仕事をする人たちが活用できるように支給されている「介護休業給付」についてご紹介します。

育児・介護休業法の制定

現在の「育児・介護休業法」は、頻繁に改定が行われていて、最新では、2017年10月施行となっています。
「育児・介護休業法」は、法人企業に求められる労働基準法の一部です。
この法定の制定の介護に関する目的には以下のようなものがあります。

仕事をする人が、要介護の家族を抱えても仕事を辞めずに済むこと
企業が継続して人材を確保できること
介護のために仕事を辞めた人に再度仕事復帰を促進すること
介護を行う人の仕事と介護の両立を支援することにより福祉分野の増進が図れること

介護休業給付の支給

上記の「育児・介護休業法」の制定によって、休業制度を活用する期間の経済的な支援の法定も整えられています。
この「介護休業給付」は、雇用保険の中の雇用継続のための制度となります。基本的には、受給額は最大で7割の保障が受けられます。実際には、休業日数、休業期間中の収入などによって細かい算出によって支給額が決定します。
前提として、1年以上その企業で仕事をしていること、休業後に引き続き勤務する見込みという条件があります。
要介護者との関係も、父母(養父母を含む)、子、配偶者の父母(養父母を含む)、同居かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫などが当てはまります。介護休業給付金は課税対象外となっています。

企業が取り組む仕事と介護の両立支援策の事例

国の政策に対応して、国内の企業も仕事と介護の両立支援策の制定に取り組んでいます。
仕事と介護の両立支援となる企業の制度の例を法定と照らし合わせながら確認していきましょう。
法定以外にも各企業独自で仕事と介護の両立支援の充実が図られているところもあるようです。

介護休業制度

介護休業は、家族一人につき通算で93日を上限として、3回まで分割して取得することができるようになっています。
介護休業は2週間以上の介護に関わる休暇が必要な人が対象となり、日々雇用で仕事をする人は対象外となります。
企業には、介護をしながら仕事をしている社員の事情や環境に合わせて、できるだけ仕事と介護を両立しやすい制度の運用が求められています。
したがって、休業期間、取得回数、対象家族の範囲について企業が法定を上回る許容幅を設けることは許されています。
介護休業を利用する社員は、時期と方法を守り、企業に申し出ることが要件です。
企業はその申し出に対して介護休業の開始予定日と、介護休業の終了予定日を通知します。

介護休暇制度

要介護者の家族を抱える社員は、1年に5日を限度として介護休暇を取得することができるようになっています。
通常の年次有給休暇とは別で付与される休暇です。
介護休暇が半日(所定労働時間の1/2)単位で取れるようになりました。
この休暇によって、仕事と介護の両立をより容易にすることが目的の制度です。
日雇い雇用、週2日勤務以下、1日の所定労働時間が4時間以下、勤続期間が6か月に満たない人は介護休暇を利用できません。
企業は証明書などの提出を求めることができますが、介護休暇の場合は事態が急を要する場合もあり、事後提出を認めることが推奨されています。

労働時間の制限

要介護者の家族を抱える社員は、介護期間においては時間外労働の免除を申請することができます。
一定の条件を除いては、1か月に24時間、1年換算では150時間を超える時間外労働をさせてはならない法定です。
定時以降の勤務、休日出勤、深夜勤務なども含まれます。
要介護者の家族を抱える社員は、この制度を利用することで、仕事と介護の両立を図りやすくなります。

介護短時間勤務・その他

介護短時間勤務は、1回につき、1か月以上、1年以内の期間についての申請になりますが、この申請は何度でも行うことができます。
要介護者の家族を抱える社員は、介護の必要のある期間中は、無制限に活用できる制度です。
要介護者の家族を抱える社員は、この制度を利用することで、仕事と介護の両立を図りやすくなります。

仕事と介護の両立のために自分ができること

国や企業が働く人の仕事と介護の両立のための支援を進める中、その両立支援を受ける側の自覚や努力も必要になります。
家族に要介護者を抱えて仕事をしていくにあたり、どういった点を意識して両立をスムーズにしていくべきかを確認していきましょう。

一人で抱えずに相談できる人や機関を利用する

家族に要介護者がいる場合は、自分だけで抱え込まないことが重要です。
理解してくれている人がいる、知ってくれている人がいるだけでも、介護をしている人の状況を助けることがあります。
ご紹介してきたように、要介護の家族を抱える人は確実に増えていますし、そういった人たちが仕事と介護を両立していくための支援は充実してきています。
企業をはじめ、自治体や支援機関への相談は、精神的にも、経済的にも、自分のキャリアにもプラスになるでしょう。
特に自宅での介護を選択する人にとって、介護期間が長くなればなるほど、その両立は困難になっていくことに備えましょう。

両立支援策の有無や内容をよく知る

要介護の家族を抱えている人は、介護と仕事を両立するための支援策の充実した勤務先を選ぶことも大切です。
法定順守している企業ということはもちろん、相談できる人や部署を特設している企業も増えています。
国や地域の支援政策はもちろんのこと、個々の企業の取り組みの内容についても良く理解しておかれることをおすすめします。
良く理解することで、仕事と介護を両立することが容易にする道はさらに開けていくはずです。

両立支援策は積極的に活用していい

介護をする人は、国や地域、企業、職場の人たちの支援を積極的に受けてください。
仕事と介護の両立を受けることで、仕事ができれば、貢献していくことができます。
何かをしてもらう負い目を感じるのではなく、ぜひ、介護とは別の時間で貢献していくための一策と捉えてください。
国も企業も助けるためというよりも、キャリアを生かしてもらうために投資を講じているのです。
この先も仕事と介護を両立して働き続ける人が増えることが予想されていますから、その方々のよき理解者にもなれるはずです。

切り替え力とタイムマネジメント力

要介護の家族を抱えて、仕事と介護の両立のための支援制度を活用しようとするとき、心掛けたいことがあります。
仕事をするときと、介護をするときの切り替えをうまく行っていくことです。
それぞれが限られた時間と認識して、スムーズな両立を図っていくことは両立支援を受けるものの責任かもしれません。
そして、仕事でもない、介護でもない自分の時間を捻出することも忘れないでください。
勤務時間や勤務日数の配慮を受けることができるのですから、仕事と介護を両立させるためにも、自分のための時間は死守してほしいと思います。

仕事と介護の両立支援はすべての人を満たすもの!

要介護の家族を抱えた人が仕事と介護の両立支援を活用することで損をする人はいないということを知っておきましょう。
そのための国の政策であり、各企業の施策なのです。
自分や自分の家族だけがメリットを受けるわけではありません。
上手く活用して、スムーズに仕事と介護の両立を図っていきましょう。

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