派遣の2018年問題とは?素朴なギモンを徹底解説!
- カテゴリ名:転職の基礎知識Q&A
派遣社員を保護する法律である派遣法が2015年に数年ぶりに改正されました。そのことにより、派遣社員の保護とより一層明確化されました。しかしながら、この改正により派遣社員の派遣切りが助長されるのではないかという、いわゆる2018年問題が懸念されています。
ではなぜ改正したことで、2018年問題が生まれたのでしょうか??
早速見ていきましょう!
また、楽天リサーチ株式会社が以前調査した派遣に関する報告書がありますので派遣を検討している方は参考にしてみてください。
参考資料派遣労働者実態調査の結果報告書
目次
派遣法とは?
派遣法とは「労働者派遣法」のことで、正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」です。
派遣労働者の賃金、福利厚生といった雇用条件について定めています。
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結び、他の会社に派遣される社員のことです。
派遣社員のメリットとしては正社員よりも自由度が高く、自分が希望する勤務地・勤務時間・期間にあった条件で仕事を選ぶことができます。
プライベートを優先したい方にはお勧めです。
ただし、派遣社員は正社員と比べて賃金が低い、福利厚生が充実していないなど待遇が良くないことが多く、雇用も有期雇用ですので不安定です。
派遣法が改正、その内容とは?
1986年に施行された同法。
派遣社員の権利保護を目的に作られました。
同法は最初の大きな改正が行われた1999年から最近にかけて何度も改正が行われ、そのたびに派遣社員の権利保護を強化してきました。
そして2015年に新たに改正された同法は以下の点で変更がありました。
- 専門26業務の区分の撤廃
- 派遣期間の改定(同一企業への派遣期間が上限3年、同一企業の違う部署への派遣が上限3年に)
- 派遣先企業が派遣社員へのキャリアアップ措置を行う
- 雇用安定措置(同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある人は派遣契約終了後、派遣社員が希望すれば派遣先への直接雇用へ切り替え、無期雇用を依頼できる)
- 一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の区別を撤廃、厚生労働省の許可がどちらも必要に
- 労働契約申込みみなし制度(違法行為をした場合、派遣先企業が派遣労働者に対して直接申し込みをしたとみなす制度)
(厚生労働省より)
この改正により、より一層派遣労働者のための権利保護が明確化されました。
しかし、派遣期間の改定と雇用安定措置の義務化から新たな問題が出てきました。
派遣社員が懸念する2018年問題とは?雇い止めになる可能性が…
派遣法改正により、良い兆しも見えてきましたが、新たに出てきたのがこの2018年問題というもの。
それではどういうものなのでしょうか?
早速見てきましょう!
派遣社員雇用に伴う3年ルールと2018年問題とは?
労働者派遣法の改正により、専門26業務以外に設定されていた原則1年、最長3年の有期雇用契約が、26業務の廃止により26業務だったものも最長3年が雇用の限度となりました。
また、3年以上の雇用契約が見込まれる人に対して派遣先企業は雇用安定措置が義務化されるようになりました。
雇用安定措置の具体的なものは以下の通りです。
- 雇用契約終了後に派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな派遣先の提示・提供
- 派遣先企業への無期雇用の依頼(派遣社員としてではなく)
- キャリアアップ等の措置
以上のことから、3年経ってから同一派遣先企業で働くには、派遣先への直接雇用か派遣先への無期雇用が必要となってきます。
つまり、3年経つまでに派遣先企業がこれらの対策・措置に対応しない限り、3年後に契約終了となります。
法改正後のその最初の適用が2015年10月1日以前から同一派遣先企業で働いている人で、その契約期限が2018年9月末となっています。
このように2018年に雇用契約が終了して派遣社員側からの直接雇用、無期雇用の依頼が増え、選択を迫られることが多いことから、人件費増加を恐れ、失業することが増加するのではないかと考えられています。
これがいわゆる2018年問題です。
派遣社員雇用に伴う5年ルールと2018年問題とは?
これは派遣法ではなく、改正雇用契約法に定められていることです。
2013年に改正雇用契約法が施行されたことにより、有期雇用契約が通算5年を超える有期契約労働者は同一企業に対して無期雇用契約を申請できるというものです。
こちらは派遣社員だけでなく、契約社員やアルバイト、パートの方も含まれます。
無期契約転換申請を受けた企業はそれを拒否することができません。
この最初の適用が2013年4月1日以前から働いている人で、その契約期限が2018年3月末となっています。
無期転換ができる条件は以下の通りです。
- 同一企業との契約
- 有期労働契約が通算5年以上
- 契約更新が1回以上
このようにこちらも無期転換は神聖されると拒否できないため、5年経つ前に契約を切られる人が出てきて失業者が増加すると懸念されています。
派遣社員の2018年問題まとめ
- 派遣法の改正により、派遣契約期間が改定、また契約満了後に雇用安定措置が義務付けられる
- 雇用安定措置とは、契約満了後にキャリアアップ措置、直接雇用、無期雇用の依頼などである
- 改正後の派遣法が適用される最初の契約期間満了日が2018年9月末であり、これらの措置による人件費増加を恐れ、この時期に大量の派遣切りが生まれる可能性があり、いわゆる「2018年問題」といわれている
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